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八条学園騒動記

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第七百三十九話 スパイは何処にいるその四

「俗に黒人だと運動能力が高くな」
「黄色人種だと頭がいい」
「白人だと体格っていうわね」
「その三つが混血していくとな」
 人種間でというのだ。
「優れた部分が遺伝されていき」
「よくなるな」
「それぞれのいい部分が出て来るわね」
「悪い部分が出てもな」
 遺伝でというのだ。
「それもだ」
「いい部分の方がよく出てな」
「トータルとしていいのよね」
「それで白人至上主義を言ってもな」
 連合ではエウロパは今もこの思想と言っていいかどうかわからない偏見に凝り固まっていると考えられている。
「愚かなだけだ」
「そうだよな」
「もうね」
「あんな連中と同じになりたいか」 
 テンボとジャッキーに問う様にして言った。
「一体」
「誰がってなるだろ」
「もうね」
「だからだ」 
 自分達が思うエウロパの者達を反面教師にしてというのだ。
「絶対にな」
「偏見は持つな」
「マウリアの人達に対して」
「そうだ、色々違うわ」 
 宗教や文明がというのだ。
「偏見は持たないことだ」
「あそこって迷路みたいだね」
 ジャッキーは彼等がいるマハラジャタウンの話をした。
「マッピングしようにも」
「かなりしにくいらしいな」
「それで何処に誰がいるか」
「わかりにくいな」
「そうなのよね」
「何であんなにわかりにくいんだ」 
 テンボは腕を組み首を傾げさせて言った。
「マハラジャタウンは」
「それ謎よね」
「複雑に入り組んでな」
「道の幅もばらばらで」
「お店も思わぬ場所にあったりしてだ」
「まとまりないわね」
「カオスだ」
 そう言っていい構造だというのだ。
「あちらはな」
「そうよね」
「あれはマウリアだからだな」 
 テンボはどうにもという顔で話ス二人に答えた。
「だからだな」
「まさにそれなの」
「サハラだからか」
「そうだ」
 ジャッキーそしてテンボに答えた。
「しかも牛も多いな」
「そうだ、もうな」
「ナチュラルにいるのよね、牛が」
 二人はこのことにも答えた。
「それで尚更ね」
「カオスになっている」
「街中で歩いて寝そべって」
「ついでにおっさんも寝ているからな」
「それがマウリアだ」
 この国だというのだ。
「おっさんが普通にだ」
「街の中で寝ているか」
「そんなお国ってことね」
「何よりも牛がいる」
 この生きものがというのだ。
「このことがだ」
「マウリアか」
「あの国の特徴ってことね」
「そうだ、まさかだ」
 ここでタムタムはこんなことを言った。 
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