| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

金木犀の許嫁

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五話 引っ越しの時その十

「ノックしてね」
「じゃあ俺の部屋に入る時も」
「そうしてね」
「それじゃあ」
「あとお洗濯は」
 夜空はさらに話した。
「私がね」
「してくれるんだ」
「そうするから」
 こう佐京に話した。
「任せてね」
「そうしていいんだ」
「お洗濯位はね」
 それこそという言葉だった。
「洗濯機あるわよね」
「あるよ」
「だったらお洗濯して」
 そうしてというのだ。
「干して乾いたら入れて畳んでなおすだけだから」
「いいんだ」
「いつもやってるから」
 まだ住んでいる実家でというのだ。
「だからね」
「それじゃあ」
「そうして干す時に」
「自然と下着見るね」
「例えばお外に干して急に雨が降ったら」
 夜空はそのケースの話もした。
「その時は」
「下着入れるね」
「家族皆でするでしょ」
「そうするね、俺だって」
「それでその時に見るじゃない」
 乾かしている洗濯ものを急に入れる時はというのだ、雨が降っていてはそんなことを考えている暇がないものだ。
「そうだしね」
「別にいいんだ、下着見ても」
「着けてないならね」
 今現在というのだ。
「それなら。いや」
「いや?」
「許嫁だし結婚するから」 
 だからだとだ、夜空はここでふと考えて佐京に話した。
「もう下着姿見られても」
「いいんだ」
「というか見られるどころか」
 さらに考えつつ言った。
「もっと先の」
「そうしたこととか?」
「興味、あるわよね」
 顔が自然に赤らんだ、そのうえで佐京をちらりと見て尋ねた。
「やっぱり」
「あるよ」
 佐京の返答は一言だった。
「俺も」
「そうよね」
「ついでに言うと同性愛の趣味ないから」 
 このことも言うのだった。
「女の子が好きだから」
「それじゃあ」
「もっと言えば夜空さん結構好み」
 佐京は頬を赤らめさせて告白した。
「お顔もスタイルも」
「えっ、そうなの」
「そう」
 顔を赤くさせた夜空にその頬のまま告白した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧