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金木犀の許嫁

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第五話 引っ越しの時その七

「こうしたことは」
「当然で」
「そう、そして」
 さらに言うのだった。
「それから皆で仲よくやろう」
「それじゃあね」
「四人で」
「後で五人になるわね」
「その時はその時で」
「またお祝いして」
「今は四人で」
 それでというのだ。
「そうしよう」
「それじゃあね。じゃあその時お料理は」
「いいから。白華も作らないし」
 彼女もというのだ。
「ただね」
「お寿司とお酒ね」
「その二つを楽しんで」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「お祝いするのね」
「そしてね」
 佐京はさらに話した。
「これから幸せな生活を送ることもお願いしよう」
「神様に」
「俺無神論者じゃないから」 
 佐京は自分はそうだとも話した。
「絶対に」
「そうなの。私もお姉ちゃんもね」
「神様信じてるんだ」
「仏様もね。やっぱりね」
「いるね。神様も仏様も」
「そうよね」
「白華も」
 妹である彼女もというのだ。
「同じだよ」
「神様と仏様信じてるのね」
「存在しているから」
 神仏がとだ、佐京は夜空に話した。
「俺達今ここにいると思うよ」
「大坂の陣でどうして生き残れたか」
「ご先祖様がね」
 猿飛佐助、彼女がというのだ。
「あの戦いは本当に激しくて」
「幸村公も十勇士の方々も」
「皆死んでいてもね」
 そうであってもというのだ。
「おかしくなかったよ」
「実際幸村公戦死したってされているわね」
「うん、家康公をあと一歩まで追い詰めたけれど」  
 それでもというのだ。
「そのあと一歩ね」
「及ばないで」
「それで力尽きて」
 そうなってだったのだ。
「首を取らせたってね」
「なってるね」
「公にはね」
「けれど何とか」
「幸村公も十勇士の方々も生き残って」
「秀頼公も」
 主であり何とか救わんとしていた彼もというのだ、佐京は夜空にそのことを淡々とした口調で話していった。
「助かって」
「そしてよね」
「生き残って」
 そうしてというのだ。
「俺達がこうしていられるのは」
「神様仏様が助けてくれたから」
「うん、護ってくれたから」
 神仏達がというのだ。 
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