金木犀の許嫁
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第五話 引っ越しの時その六
「しかも重いから」
「投げてもね」
「使いにくい、しかも歯が短くて鋭くもないから」
またこのことを言うのだった。
「威力もない、また重いから何発も」
「一度に投げられないわね」
「速くそうすることも」
このこともいうのだ。
「ないから」
「弱いのね」
「むしろどちらも道具としての方が」
忍者刀も手裏剣もというのだ。
「使える」
「サバイバルナイフみたいに」
「そう、武器もそうだから」
「戦わないのね」
「ただいつも走って跳んで」
その様にしてというのだ。
「泳いでるから運動神経は」
「あるのね」
「トライアスロンをしても」
例えこちらをしてもというのだ。
「いいとこいける」
「実際やってみたら?」
夜空はここまで聞いて佐京に提案した。
「そちらもね」
「それじゃあ一度機会があったら」
「トライアスロンやってみるのね」
「考えてみる」
「そうしてね」
「うん。あと明日来たら」
夜空達がとだ、佐京はあらためて話した。
「お祝いするから」
「そうしてくれるの」
「うん、お父さんとお母さんいないけれど」
「その時は」
「けれど準備してるから」
「そうなの」
「お酒買ってるから」
今はというのだ。
「それでお寿司予約してるから」
「えっ、お寿司なの」
夜空はそう聞いて思わず驚きの声をあげた。
「そうなの」
「お父さんとお母さんが予約してたんだ」
「そうだったの」
「だから」
それでというのだ。
「明日来たら」
「お祝いしてくれるのね」
「俺と白華で」
「私達も入れて四人で」
「そうしよう」
こう言うのだった。
「ここは」
「それじゃあね」
「お寿司に」
佐京はさらに言った。
「お酒にあとは」
「あとは?」
「ケーキもあるから」
こちらもというのだ。
「やっぱり予約してくれてたから」
「ご本家の方で」
「だから」
それでというのだ。
「楽しみにしておいて」
「そうさせてもらうわ」
夜空は笑顔で答えた。
「そこまでしてくれるなんて」
「当然だから」
これが佐京の返事だった。
「これは」
「当然なの」
「家族になるから」
それ故にというのだ。
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