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博士の挑戦状

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第百二十話

第百二十話  しみじみとして
 小田切君は博士の話美学に基くそれを聞いてから自分が飲むものを飲んだ、それは冷たい麦茶であったが。
「小田切君麦茶好きだよね」
「そういえばそうだな」
 タロとライゾウがその小田切君を見て言った。
「見ていたらな」
「結構麦茶飲んでるよね」
「色々お茶飲むけれどな」
「麦茶が一番多いね」
「飲みやすいからね」
 小田切君は二匹にその麦茶を飲みながら答えた。
「だから冬でもね」
「よく飲むんだ」
「そうしてるんだな」
「喉が渇いていたら」
 その時はというのだ。
「もう冬でもね」
「よく冷えた麦茶飲むんだ」
「そうしてるんだな」
「そうなんだ、特にね」
 小田切君はさらに話した。
「夏はそうだね」
「もういつも飲んでるね」
「他のお茶もだけれどな」
「本当に麦茶がメインになってるね」
「夏は特にな」
「麦茶はいいよ」
 小田切君は心から言った。
「本当に飲みやすいお茶だよ」
「うむ、わしもそう思う」
 博士もそれはと答えた。
「実にな、しかしな」
「しかしっていいますと」
「いや、実はな」 
 小田切君にレモンティーを飲みつつ話した、飲んでいるのはホットであり少しずつ飲んでいる。
「麦茶は代用コーヒーと同じ味じゃ」
「東ドイツとかにあった」
「それとな」
「あのコーヒーまずいって評判ですね」
「しかしこれがな」
「麦茶と同じ味ですか」
「だから冷やして飲むとな」 
 そうすればというのだ。
「おそらく日本人にしてみればな」
「美味しいんですね」
「その様じゃな」
「中々面白いお話ですね」
 小田切君は麦茶を飲みながら応えた、そうしてだった。
 麦茶をおかわりした、よく冷えたそれは寒い季節でも喉が渇いていた小田切君にとっては実に美味いものだった。


第百二十話   完


                 2023・12・1

 
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