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おぢばにおかえり

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第七十九話 残さないことその七

「それもお腹一杯」
「そのこともいいことなのね」
「そうです、普通のお店だと一杯で二杯半位の値段ですよ」
「カレーでもね」
 私は新一君に答えました。
「最近はそれ位の値段ね」
「確か難波の自由軒のカレーが六八〇円です」
「新一君の好きなお店ね」
「あそこでそうで」
 その自由軒のカレーで、です。
「おぢばは二百五十円、しかもです」
「食べ放題ね」
「他のお料理もあってですよ」
 そのうえでというのです。
「二百五十円って凄いですよ」
「確かに格安ですね」
「しかも皆と一緒に食べられる」
 このこともというのです。
「最高じゃないですか」
「そう言うのね」
「はい、先輩とも一緒ですし」
「そこでまた私なのね」
 首を傾げさせてしまいました。
「新一君は」
「駄目ですか?」
「何なのよ」
 気持ち的にです。
「いつも思うけれど」
「そうですか」
「ええ、そんなに私と一緒にいたいの」
「はい」 
 はっきりと答えてきました。
「毎日お会いしたいですし」
「何でかわからないし」
 それにです。
「私と一緒にいて楽しいの?」
「かなり」
「はっきり言うけれど」
 それでもです。
「私なんかと一緒にいても何もないわよ」
「それがあるんですよ」
「可愛くないし小言言うし」
 それにです。
「お金も何もないのよ」
「お金は必要なだけあればいいじゃないですか」
 思わぬ言葉でした。 
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