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おぢばにおかえり

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第七十九話 残さないことその五

「何読んでるの?」
「ラノベとか漫画とか純文学とか野球の本とか」
「色々読んでるの」
「最近そうしています」
「読書家なのね」
 ちょっと意外でした。
「本読むイメージじゃなかったけれど」
「電車通学ですから」
「時間あるのね」
「その時に読んでまして」
 それでというのです。
「結構です」
「読んでるのね」
「そうです、ベースボールマガジン社の本なんか」
「野球の本ね」
「大好きですし歴史小説なんかも」
 こうしたジャンルもというのです。
「好きです、ただ本読むだけじゃ駄目ですね」
「そうよね、本読んでもね」
 私もそれはと頷きました。
「実際の経験とかないとね」
「そうですよね、それで僕も色々な人とお話したいんですよ」
「人生経験積むの」
「ひのきしんもさせてもらって」
 このことも忘れないでというのです。
「やらせてもらってます」
「いさんではいるのよね」
 私もこのことはわかります、それで新一君に言いました。
「そのことはいいことよ」
「そうですか」
「新一君は欠点はあるけれどね」
 このことははっきりしていてもです。
「いさんでいて勉強もしてるのね」
「そうなります?」
「嫌いじゃない人には親切で優しくて」 
 私には変に馴れ馴れしくてもです。
「そうしたところは伸ばさないとね」
「どうもです、あとおぢばにいたら困らないですね」
「何になの?」
「はい、飲むことに」
「ああ、お茶ね」
「お茶所ありますから」
 神殿の前にです。 
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