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X ーthe another storyー

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最終話 終幕その十二

「言うからのう」
「これからは」
「宜しくな」
「それでは」
 丁はもう一人の自分の言葉に頷いた、そうしてだった。
 一行はバーベキューやお菓子を食べ終えるとだ、自然に。
 大樹の前に来た、そこで封真が神威に言った。
「覚えているな」
「ああ、この木だ」
 神威は澄んだ笑顔で答えた。
「小鳥と一緒に登ってな」
「小鳥が落ちそうになってな」
「その手を掴んで助けてだ」
「ずっと持っていた手だな」
「お前やおじさん達が来るまでな」
「よくそうしてくれた」
 神威は微笑んで礼を述べた。
「お陰で小鳥は助かった」
「いや、小鳥を助けたのはお前だ」
「俺か」
「お前が手を掴んだからな」
 小鳥のそれをというのだ。
「だからだ」
「そうなるか」
「ああ、そしてその木をな」
「今こうしてだな」
「皆で見ているが」
「こうしたかったな」
「そうだな、本当にいい木だ」
「ずっとね」
 小鳥も言ってきた。
「この木をね」
「見ていきたいな」
「皆でね」
「こうしてな」
 神威は小鳥にも応えた。
「皆で」
「そうよね」
「ええ木やな」
 空汰は優しい声で述べた。
「ほんまに」
「そうね」
 嵐も頷いて応えた。
「見れば見る程ね」
「とても立派で優しい感じがして」
「ワン」
 護刃は犬鬼と共に見ている。
「いい木ですね」
「僕達の世界だね」
 昴流はまさにそれだと言った。
「この木は」
「そうですね、この木がずっとある様に」
 征一狼は昴流の言葉に頷いた。
「僕達は護っていきましょう」
「皆でね」
 火煉も続いた。
「そうしていきましょう」
「そうだね」
 牙暁も言った。
「一人では無理でも」
「皆でな」
 草薙の声は優しいものだった。
「そうしていこうな」
「天の龍も地の龍も人間ですから」 
 哪吒はそれ故にと言った。
「そうしていきましょう」
「この木を見ているとわかるわ」  
 颯姫の言葉は穏やかだった。
「この世界のことが」
「人も地球もありますね」
 遊人は世界について思った。
「そこには」
「出来ないことがあっても」
 玳透も見て言った。 
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