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ハッピークローバー

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第百十三話 野球の世界は広いその二

「もうね」
「徹底的によね」
「こき下ろしてね」
「誹謗中傷繰り返すのよね」
「根拠のないことまで」
「ああいうの読みたくないわね」
 一華は心から思って言った。
「正直言ってね」
「本当に駄目そうな人が読んでるからね」
「電車の中とか駅の構内で」
「ああ、こんな人が読むんだってね」
「そう思うのよね」
「好きなのと諂ってるのは違ってて」
 それでとだ、一華は話した。
「嫌うにしても品性が必要よね」
「あることないこと書くとかね」
「誹謗中傷して貶めるとか」
「そんなことしたら駄目よね」
「絶対に」
「あんな新聞の記者やって恥ずかしくないのかしら」
 一華は口をへの字に刺せてこの言葉を出した。
「ご家族に誇れるかしら」
「いや、絶対に無理でしょ」
「誇れる筈ないでしょ」
「あんな読むだけで芽が腐る様な記事ばかり書いて」
「ご家族に言える筈ないわ」
「そうよね、ただああした記事って恥を知らないと書けないから」
 品性も知性もない、そうでないとというのだ。
「ご家族にもね」
「言ってるかもね」
「けどあんな記事書く人って普通に人間として終わってるから」
「屑に決まってるからね」
「ご家族にも何してるか」
「わかったものじゃないわね」
「暴力振るっててもね」
 そうした最低な行いをしていてもというのだ。
「不思議じゃないわね」
「浮気とかね」
「あと陰で悪いことしてるとか」
「全然不思議じゃないわね」
「どう見ても最底辺でしょ」
 タブロイド紙の記者達もっと言えば関係者達はというのだ。
「マスコミの中でも」
「絶対にそうよね」
「どう考えても」
「まともじゃない新聞だし」
「まともじゃない人が書いてるわね」
「最底辺のね、何かね」 
 一華はこうも言った。
「まともに取材してないらしいけれど本当かしら」
「してる筈ないでしょ」
「そんなの決まってるじゃない」
「野球だと観客席の適当な言葉関係者の発言って言ったり」
「脳内関係者もいるっていうわね」
「そうなのね」
 やはりという顔でだ、一華は納得して頷いた。
「どうせそうだと思ってたけれど」
「そんなの決まってるでしょ」
「それはね」
「もうね」
「そうじゃないと書けないわよ」
「あんな汚い記事は」
「卑しい性根でまともに取材していないで書く」
 一華は眉を顰めさせたまま言った。
「いい記事になるとかね」
「絶対にないわね」
「何があってもね」
「それこそね」
「そうよね、その会社のどうにもならない人が送られるっていうし」
 まるで島流しの様にだ。 
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