神々の塔

「戦ってみて」
「強い、しかしな」
　それでもとだ、中里は芥川に答えた。
「直線的やな」
「童話読んでもそやろ」
「鬼は直線的やな」
「直情的とも言う、性格的にな」　
　鬼達はというのだ。
「強くて頭もええが」
「行動がやな」
「そや、化けて人を騙すにしても」
　これは羅生門に出た茨木童子が得意としていた、実は今彼等が戦っているその神霊に他ならない。
「それでもな」
「直情的やな」
「まだるっこしいことはせん」
「そしてそこがやな」
「狙い目や」
　その性格がというのだ。
「まさにな」
「直情的jな性格か」
「性格も特徴やろ」
「ああ、それぞれのな」
「それやとな」
「その性格を把握して」
「そのうえで戦うこともな」　
　それもというのだ。
「戦術や」
「そういうことやな」
「性格はどうしても出る」
　芥川は言い切った。
「何にでもな」
「行いにでもやな」
「同じ様な能力のモンが同じことをしてもな」
　そうであってもというのだ。
「それぞれの性格でや」
「違って来るな」
「そうなる、それでや」
「鬼は直情的である」
「そこを衝くんや、直情的なんは弱点やないが」　　
　芥川はそこは否定した、別に直情的であることは弱点ではないとだ。このことは断ったのであった。
「しかしな」
「特徴であるな」
「その特徴を衝くのもや」
「戦ってことやな」
「そや、ほな実際にな」
「そこを衝いてやな」
「戦っていこな。僕は正面に立ってや」
　芥川は自分から言った。
「色々攪乱するからな」
「そこを衝くんやな」
「直情的な性格やとな」
　それならというのだ。
「正面で攪乱されるとな」
「どうしてもそっちにいくな」
「そうなるさかいな」
　それ故にというのだ。
「ここはそうするわ」
「そうして戦うな」
「そして僕だけやない」
　芥川は話を続けた。
「アレンカールにもな」
「攪乱を頼むか」
「そや、そしてや」
　そのうえでというのだ。