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イベリス

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最終話 素敵な想い出その四

「有り難いことね」
「それは何よりね」
「そうであってこそね」
 まさにというのだ。
「ちゃんとね」
「子育て出来るのね」
「そうよ、うちもね」
「そうだったわね」
「有り難いことにね」
「いいご主人で何よりね」
「優しくて暴力は絶対に振るわなくて」
 咲は夫のことをさらに話した。
「ギャンブルもしないし変な散財もしないから」
「いい人ね」
「真面目に働いても暮れるし」
「非の打ちどころがないかしら」
「それ言ったらあるわよ、結構ね」 
 笑ってこうも言った。
「けれどそんなことは些細なことで」
「全体を見るとなのね」
「凄くね」
 こう言っていいまでにというのだ。
「いい人よ」
「家事も育児も手伝ってくれる」
「そう、勿論浮気もしないしね」
 これもなくてというのだ。
「いいわよ」
「それは何よりね」
「本当にね」
 母に笑顔で話した、そして母はここで娘に彼女のことも話した。
「愛ちゃんこの前会ったら」
「すっかりお母さんよね」
「今のあんたみたいなファッションになってね」 
 そうなってというのだ。
「アクセサリーも付けなくなってね」
「何でも子供に当たったらいけないし動きやすいから」
 咲はそれでと話した。
「そう言ってね」
「ああした風になったのね」
「結婚して子供出来てからね」
 それからというのだ。
「お姉ちゃんもそうなったのよ」
「あの派手な娘が」
「私今でもお姉ちゃんとよく会って電話もしてるけれど」
「昔からよね」
「やっぱり変わったのわかるから」
「結婚してからは」
「そうなったことがね、けれどお姉ちゃんはお姉ちゃんで」
 愛はというのだ。
「今もね」
「よく会ってお話もしてるのね」
「メールとかのやり取りなんて毎日だし」
「そうなのね」
「仲いいわよ」
「それで色々相談もしてるのね」
「私がしてもらってね」
 そうしてというのだ。
「してるわ」
「そうなのね」
「また今度一緒に遊びに行くしね」
 母に笑ってこうも話した。
「子供達連れてね」
「子供も一緒ね」
「お母さんだからね」
「じゃあ明日お母さんとして」
「そう、ちょっと喫茶店に行くけれど」
「あんたが高校時代よく行っていたお店ね」
「大学時代も行ってて就職してからもでね」
「今も行ってるのね」
「行く回数は減ったけれど」
 それでもというのだ。
「今もね」
「行ってるのね」
「そこに行くわ」
「渋谷のお店ね」
「小さな娘が行く場所じゃないけれど」
 渋谷はというのだ。 
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