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イベリス

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最終話 素敵な想い出その三

「ガソリンスタンドでも」
「何かとね」
「それであの時はね」
「お父さんも血圧高くなかったのね」
「けれど東京の方に戻って」
 そうなってというのだ。
「それからはね」
「座り仕事になって」
「身体動かさなくなって」
 そうしてというのだ。
「飲む量は変わらなくて」
「お酒って飲むだけじゃないしね」
「おつまみも食べるでしょ」
「どうしてもね」
「それでね」
 その為にというのだ。
「血圧高くなったのよ」
「おつまみって塩分高いのばかりだしね」
「そうなのよ、今のうちにね」
 大して悪くないうちにというのだ。
「よくするってことよ」
「そういうことね」
「お母さんも気を付けないとね」
 母は自分の話もした。
「健康には」
「お母さんもどっか悪いの」
「悪くないけれど」
 それでもというのだ。
「そうならないうちにね」
「気を付けるのね」
「お母さんもお酒好きだし」
 夫と同じくというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「今のうちにね」
「気を付けることね、それ言ったらね」
「あんたも?」
「気を付けてね」
 そうしてというのだ。
「いつも献立考えてね」
「作ってるのね」
「特に花のことを考えて」
 娘のというのだ。
「そうしてね」
「作ってるのね」
「考えてね」
「そうなのね」
「うちの人のことも」
「あんたのことも」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「そっちも大変よ」
「家事は他にもあって」
「パートもしてるし」
「主婦も大変でしょ」
「凄くね」 
 こう母に答えた。
「今そのこともね」
「実感してるのね」
「そうなのよ」
 こう母に答えた。
「私もね」
「そう、主婦もね」
「大変ね」
「だから覚悟して」
 そうしてというのだ。
「やるものよ」
「そうよね」
「子育てもあるし」
 主婦にはというのだ。
「ちゃんと夫婦でね」
「そうそう、うちの人家事手伝ってくれて」
 夫の話もした。
「花のこともね」
「育児もしてくれるのね」
「そうなの」
「いいご主人みたいね」
「凄くね」 
 母に笑顔で答えた。 
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