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ドリトル先生とラーメン

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第十幕その四

「誰からも好かれていて野村さんはね」
「一見口が悪くてね」
「暗そうだけれど」
「実は物凄く優しくて」
「困っている人を見捨てない人だったのよね」
「個性は全く違うけれど」 
 それでもというのです。
「お二人のどちらもね」
「素晴らしい人達で」
「人間性も褒められる様な」
「そんな人達だったんだ」
「うん、僕は鶴岡さんも杉浦さんも立派な人達だったと思ってるし」
 それにというのです。
「野村さんもね」
「確かにそうだよね」
「野村さんはお二人と比べて色々言われてるけれど」
「口が悪いとか暗そうとか」
「陰湿とか陰険とか冷たいとか」
「実は結構明るい人で」
 暗いどころかというのです。
「繊細で困っている人をね」
「見捨てなくて」
「誘って迎え入れて面倒を見る」
「そんな人だね」
「とても暖かい人だったんだ」
 野村さんという人はというのです。
「そして長い間戦った相手にも敬意を忘れない」
「やっぱりいい人だね」
「素晴らしい人ね」
「野村さんは」
「そうだったんだ、そしてこの人達も」
 三人以外のホークスの選手の人達の写真も見てお話しました。
「皆ね」
「ここで活躍したんだ」
「かつては」
「そうだったんだ」
「大阪球場でね、汗を流して声を出して」
 そうしてというのです、
「必死にね」
「野球をしていたんだね」
「そう思うとここは素晴らしい場所ね」
「本当に」
「その歴史と記憶を今に伝えるね」
 大阪球場はなくなってホークスは福岡に移ってもというのです。
「そうした場所だよ」
「そう思うとここに来てよかったよ」
「大阪のプロ野球といえば阪神だけれど」
「ホークスもかつては大阪にあったんだね」
「そうなのね」
「阪神は会社が大阪にあって」
 このチームはというのです。
「球場は西宮にあるからね」
「甲子園にね」
「そうだよね」
「あのチームは」
「だから大阪のチームでも」
「球場はあそこになるね」
「けれど南海ホークスは」
 このチームはというのです。
「本社も球場も大阪にあった」
「阪神以上に大阪のチームだったんだ」
「今のバファローズみたいに」
「そうしたチームだったんだね」
「そうなんだ、阪神の魅力は別格で」
 そこまで言っていいものでというのです。
「人気は圧倒的だけれどね」
「先生も阪神ファンだしね」
「あのチームの魅力は桁が違うよ」
「何よりもね」
「けれどホークスが大阪にあったことは」
 その全てがというのです。 
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