八条学園騒動記
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第七百三十三話 フクロオオカミその三
「だからだ」
「その為各国そして地方の権限が強く」
「選挙もな」
これもというのだ。
「多いがその中ではだ」
「衆愚政治も観られますね」
「場所によってはな」
「現在進行形で」
「おかしな星系知事なぞ幾らでもいる」
連合にはというのだ。
「これがな」
「連合では」
「そしてエウロパでもな」
自分達の国でもというのだ、もう口調は小さく早いものではなく普通の薩摩星系の方言に戻っている。
「同じだ」
「やはり衆愚政治はありますね」
「まともに見れば当選させてはならない」
「そうした人物を当選させる」
「そうしたことがだ」
まさにというのだ。
「ままにしてだ」
「ありますね」
「よくお花畑というが」
「妄想のみで現実を直視していない」
「姦賊は流石にいないがな」
「国を売る様な」
「だが民主主義はな」
それが衆愚政治に陥ればというのだ。
「そうした輩が当選する事態もだ」
「有り得ますね」
「当選すればいいのだからな」
それ故にというのだ。
「その時はな」
「そうもなりますね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「実際にそうした事例もある」
「何処でもですね」
「それこそ前科があってもだ」
それでもというのだ。
「投票数が多いとだ」
「当選しますね」
「それが民主主義だ」
「そういうものですね」
「確かに優れた制度だが」
民主主義はというのだ。
「市民に主権がありな」
「市民が政治家を選べる」
「自分達が望む国益や法律をだ」
「実現出来ますね」
「しかしだ」
ここで大尉は言った。
「国益を見極めることもだ」
「難しいですね」
「目先の利益なぞだ」
そうしたものはというのだ、どんなものにも存在するものであるが国益についても存在するものであるのだ。
「求めてはだ」
「なりませんね」
「しかしな」
「愚かであると」
「国益もだ」
「誤ったそれを求めてしまいますね」
「法律もだ」
こちらもというのだ。
「有権者がしかと見極めないとだ」
「かえって国益や生活を損ねますね」
「そうだ、あと人気があればだ」
それでというのだ。
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