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八条学園騒動記

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第七百三十二話 ナマケモノその九

「存在している」
「左様ですね」
「ただナマケモノは別にだ」
 その生きものを観つつ話した。
「嫌われてはいない」
「怠けている様に見えても」
「その生態がわかっているからな」
 それがというのだ。
「ナマケモノはナマケモノでだ」
「進化していて」
「生きているからな」
「嫌ってはいないですね」
「もっと言えばコアラもな」
 この生きものもというのだ。
「いつも木の枝のところにいるな」
「木を掴んで」
「特に動く気配はないな」
「ナマケモノの様に」
「コアラはユーカリを食べる」
 この木の葉をである。
「これには毒がありな」
「そうなのですか」
「体内で分解する間だ」
「動けないのですか」
「だからだ」 
 その為にというのだ。
「コアラは動かない、コアラもコアラでだ」
「進化してですね」
「生きている、だからな」
 それ故にというのだ。
「別にコアラもだ」
「嫌われていないですか」
「動かないといってもな」
 それでもというのだ。
「そうなのだ」
「左様ですか」
「尚コアラは有袋類だが」 
 この生きものに区分されるというのだ。
「後で有袋類もだ」
「観ますか」
「カンガルー等をな」
「それでは」
「有袋類もだ」
 この生きものもというのだ。
「連合には多くだ」
「棲息していますか」
「多くの星でな」
「そうなのですね」
「独特な生きものでだ」
 それでというのだ。
「わりかし限られた地域にしか棲息していないが」
「そういえばエウロパでは」
「少ないな」
「棲息している地域が」
「そうだ、限られた地域でしかだ」
「棲息していないので」
「地球では北米とオーストラリアにだ」
 この二つの大陸にというのだ。
「棲息しているが」
「それでもですね」
「他の大陸にはな」
「棲息していないですね」
「そうだ」
 地球ではというのだ。
「そうなっている」
「そして他の星でもですね」
「同じだ」
「限られた地域にですか」
「棲息している」
「そうした生きものですか」
「そうだ、その生きもの達もな」
 大尉はさらに言った。
「後でな」
「観に行きますね」
「そうする、いいな」
「はい」
 返事は即答であった。 
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