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ハッピークローバー

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第百十一話 チャックその十一

「何かあそこの国家予算の二割って」
「軍隊は二割半で」
「合せて半分近く」
「酷いわね」
「そんな政治したら」
「核兵器開発してもね」
「破綻するから」
 国家自体がというのだ。
「もうね」
「途中で誰かに攻められて」
「ゲームオーバーね」
「災害にも弱そうだし」
 事実少しの災害で大きなダメージを受けているという。
「もうすぐにね」
「ゲームオーバーね」
「そうなるわね」
「本当にね」
 かな恵は理虹に応えた。
「確実に」
「あの国に生まれたら終わり」
「その時点でね」
「それでゲームであの国のやり方やってもね」
「やっぱり終わりね」
「ジャージもないし」
「というかどんな服か」
 それこそというのだ。
「悪い意味でね」
「気になるわね」
「そうよね」
「やっぱりジャージっていいわね」
「動きやすいし着やすいし」
「着心地もいいしね」
「チャックも楽だし」  
 それでというのだ。
「部屋着にいいわね」
「そうよね」
「それにね」 
 かな恵はさらに話した。
「色気ないでしょ」
「ジャージはね」
「だから夜にちょっとコンビニに行っても」
 そうしてもというのだ。
「ジャージだと殆どね」
「襲われないのね」
「それこそジャージにサンダルで」
 そうした格好でというのだ。
「すっぴんにぼさぼさ髪だとね」
「色気の欠片もないわね」
「だからね」
「襲われにくいのね」
「まあ夜女の子が一人でお外出歩くこと自体がよくないけれど」
 それでもというのだ。
「そうした格好だとね」
「襲われにくいのね」
「色気がないから」
「確かにね。今かな恵が言った格好で外歩いていたら」
 理虹もそうであるならと答えた。
「道の石ころ位にしかね」
「思わないわよね」
「同じ女の子でもね」
「男の子でもでしょ」
「幾らイケメンでも」
 そうした相手でもというのだ。
「確かにね」
「何も思わないわよね」
「お洒落してるなら」
 そうであるならというのだ。
「幾らイケメンでもね」
「ジャージだとね」
「何も思わないわね」
「だからね」 
 かな恵はあらためて話した。
「いいのよ」
「それが自分を守ることになるのね」
「ださい、色気がない服装もね」
「それ面白いわね」
「生活の知恵?お祖母ちゃんに教えてもらったの」
 かな恵は理虹に種明かしをした。 
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