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ハッピークローバー

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第百十一話 チャックその十

「もうね」
「あっちの方でお断りよね」
「だからいないのよ」
「うちにあそこの人は」
「あそこだけはね」
 北朝鮮だけはというのだ。
「そうなのよ」
「そういうことね」
「まあそれでもね」
「いいわよね」
 かな恵は特に、という口調で言った。
「あそこ兎に角評判悪いし」
「あからさまにね」
「悪の組織そっくりだし」
「特撮ものの」
「いや、しかしね」
 かな恵はさらに言った。
「あそこの軍服って本当に恰好悪いわね」
「つくづく思うわよね」
「あれ着ろって言われたら」
 それこそというのだ。
「いつもジャージの方がね」
「ましよね」
「動きやすいしね」
 ジャージはというのだ。
「だからね」
「そうよね」
「というかあそこまともなチャックもないでしょうし」
 再びそちらの話をした。
「ジャージもね」
「ないでしょうね」
「スポーツ選手は着ていても」
「あそこの人達が普段着ているのは見たことないわね」
 理虹も言った。
「そもそも」
「そうよね」
「やたら軍服のイメージ強いけれど」
「軍隊ばかり出て来るからね」
 かな恵もそれはと応えた。
「先軍政治とかで」
「そのせいね、ただね」
「ただ?」
「いや、軍隊に力入れるより」
 それよりもというのだ。
「他のことに力入れるべきでしょ」
「それ皆言うわね」
 かな恵もそれはと応えた。
「内政とかにね」
「お金使えって」
「人もね」
「普通はそう考えるわね」
「そうよね」
「それをしないのがね」
 それがというのだ。
「駄目でしょ」
「後将軍様の贅沢ね」
 かな恵はそれもと話した。
「そっちにかなり使ってるのよね」
「軍隊とね」
「ゲームとかでやったら」 
 かな恵はオ弟が遊んでいるシュミレーションゲームの話もした。
「滅茶苦茶になるわね」
「絶対にね」
「途中でゲームオーバーね」
「そうなるわね」
「あんな滅茶苦茶なことして」
 そうしてというのだ。
「クリア出来るか」
「もう内政やってないしね」
「それで軍隊ばかりお金かけてても」
「その軍隊さえオンボロで」
「どうしてクリア出来るか」
「しかも将軍様の贅沢」
「それもないわね」
 かな恵は首を傾げさせて言った。 
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