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イベリス

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第百三十一話 吹っ切れてその七

「勝つ、優勝する為にな」
「努力していますね」
「相手もいるんだよ」
 自分達だけでなくというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「努力してもな」
「優勝出来るとは限らないですね」
「結果が出なかったりな」
 マスターは腕を組んで残念そうに話した。
「運もあるだろ」
「スポーツって運が大きいですね」
「実力があってもな」 
 それでもというのだ。
「運がないとな」
「それで負けますね」
「そうだよ」 
 まさにというのだ。
「それだけでな」
「それもスポーツですね」
「運があるとそれだけで勝ってな」
 そうしてというのだ。
「負けることもな」
「ありますね」
「だからどれだけ育成して補強しても」
「勝てない時は勝てないですね」
「昔の巨人みたいに優勝して当たり前とかな」
「そうした考えはですね」
「馬鹿の考えだよ」
 そうだというのだ。
「完璧なチームもないし完璧な名将もな」
「いないですね」
「いるとしたらな」 
 それはというと。
「北朝鮮の宣伝だよ」
「それですね」
「あの中の北朝鮮とかな」
「将軍様ですね」
「他にはないさ」
 それこそというのだ。
「それで北朝鮮の宣伝鵜呑みにするなんてな」
「馬鹿ですよね」
「あんなのな」
「信じると馬鹿ですよね」
「それ以外の何でもないさ」
 マスターは断言した。
「昔は結構いたけれどな」
「そうみたいですね」
「ああ、少し考えたらわかるだろ」
「あの国の宣伝が嘘だって」
「ああ、どう見てもな」
 それこそというのだ。
「あんな過剰報道みたいな宣伝な」
「おかしいですね」
「地上の楽園とか言ってもな」
 それでもというのだ。
「実際にそんな国あるのか」
「世の中に」
「それで完全無欠の指導者とかな」
「いる筈がないですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「少し考えたらな」
「わかりますね」
「いい国どころかな」
 情報を鵜呑みにした人達が言う様にだ。
「その真逆でな」
「とんでもない国ですよね」
「そうだよ、それで完全無欠なチームとかな」
「監督さんはいないですね」
「いる筈がないんだよ」
 絶対にというのだ。
「百戦百勝で毎年優勝する様な」
「そんな監督さんもですね」
「いる筈がないさ」
「そういうものですね」
「それがわからないとな」 
 マスターは真面目な顔で話した。 
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