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神々の塔

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第四十九話 悪魔が教えることその八

「サタン様が言われて」
「魔王のトップやな」
「どなたも賛成されて」
「そうなったか」
「その時に意味がないともです」
 生贄はというのだ。
「言われていました、その様なものを捧げずとも」
「人の命をか」
「生きものの肉や野菜等をです」
「充分か」
「それ加護を得られるとです」
 その様にというのだ。
「言われて」
「それでか」
「それもなくなりました」
「よく黒ミサで赤ん坊を生贄にして殺して食べてるか」
「とんでもない非道ですね」
 親父から言った。
「それはまた」
「そう思うか」
「魔界ではそんなことはです」
「せんか」
「まともな人なら」
 シェリルに対して言い切った。
「何があってもです」
「せんか」
「おかしな者ならするでしょうが」
「そうした奴は何処でもいますね」
 リーもそれはと応えた。
「残念なことに」
「そうした者は見付かり次第です」
「逮捕されて取り調べを受けて」
「事実なら告訴され」
 刑事告訴である。
「裁判となり」
「実刑になると」
「処罰されます」
「人の世界と同じですね」
「そして他の神々の世界とも」
「そうですか、魔界でも」
「それは同じです」
 親父は微笑んで話した、そのうえで一行を優しく親切にもてなした。そうしてそのうえでなのだった。
 一行はよく寝て朝になると戦に向かった、当然朝食は食べた。
 そして神霊達の前に出ると魔王の一柱であるシトリが顔を顰めさせて言ってきた。
「歯を磨いたか」
「磨きましたけど」
 中里が応えた。
「一体何が」
「剣道の小手の匂いがするぞ」
 こう言うのだった。
「日本のな」
「何かマニアックな表現ですね」
「納豆を食べたのか」
「今朝。けど皆歯は磨いてます」
「それでも匂うか。納豆は恐ろしい食べものだ」
「あの、納豆お嫌いですか」
「前に日本の神霊達に勧められて食べたが」 
 中里にその豹の顔をむっとさせて語る、この神霊の頭は基本それであるのだ。天使の身体で背中には翼がある。
「まずかった」
「癖はありますね」
「味も匂いもな」
「今朝出て来たんで」
「食うなとは言わんが」
 それでもというのだ。
「歯を磨いても匂うか」
「納豆の匂いってきついですから」
「それでか、とりあえず香水でも使うのだ」
 シトリは一行に告げた。
「そのうえでだ」
「納豆の匂いを消すことですか」
「そうするのだ」
 こう言うのだった。
「私の勝手に聞こえるかもしれないがエチケットだ」
「匂いを消すことも」
「だからな」
 それでというのだ。 
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