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ハッピークローバー

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第百九話 四人で話すことその九

「別に」
「そうだといいけれどね」
「本当にそうだから。強いし」
「普通でしょ」
「いや、強いから」
 このことは訂正させた。
「私以上にね」
「いや、一回学校の中の神社の娘さんと飲んで」
「ああ、トライアスロン部の」
「そう、一回合コンで一緒になってね」
「合コン?」
「そう、私達のサークルとね」
 そこと、というのだ。
「高等部のトライアスロン部がそれして」
「彼氏さん彼女さん探したのね」
「ついでに飲むこともしたけれど」
「そっちが主題になったの」
「それであの娘ね」
「あの人のことは私も聞いてるわ」
 富美子にしてもだ。
「もうお酒をうわばみみたいにね」
「飲んでたわ」
「おつまみは何でもよくて」
「それでね」
 そうした状況でというのだ。
「飲みまくって」
「それでよね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「本当にね」
「お姉ちゃんもなのね」
「勝てなかったわ」
 そうだったというのだ。
「とてもね」
「あの人は有名なのよね」
「ああした娘はうわばみかざる娘っていうのよ」
「ざるでお水すくったら落ちるから言うのよね」
「それでお水の中にあるものを取るのよ」
 これをざるすくいという、このざるを用いて泥鰌だのを捕まえるのだ。日本の古き良き生きものの捕まえ方である。
「それで飲んでも酔わない人をね」
「ざるって言うけれど」
「あの娘もね」
「ざるで」
「勝てなかったわ」
「お姉ちゃんでも」
「ええ、上には上がいるのよ」
「お酒のことも」
「そう、それでね」 
 さらに言うのだった。
「無茶して飲むとね」
「身体に悪いわね」
「中には巨人負けて」
 日本いや世界の癌であるこのチームがというのだ。
「荒れて飲む人もいるけれど」
「最低でも一年に百回以上自棄酒ね」
「そうした人もいるみたいよ」
「ああ、あのアナウンサーみたいな人ね」
 富美子はここでその輩の顔を不愉快ながらも思い出した。
「ああした人ね」
「今だに珍しい巨人信者のね」
「ああした人がなのね」
「もう巨人が負ける度に」 
 その都度というのだ。
「安いお酒をがぶ飲みして」
「荒れてるのね」
「こんな人はね」
「身体壊すわね」
「そうなるしね」
「お酒の飲み過ぎには注意ね」
「神社のあの娘も飲まない日あるそうだし」
 そのうわばみだのざるだの言われている娘もというのだ。 
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