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ハッピークローバー

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第百九話 四人で話すことその八

「いい気持ちよ」
「お酒かなり抜けたでしょ」
「そうなったわ」
「それは何よりよ、ただね」
「ただ?」
「いや、お酒飲んでもいいけれど」
 美奈代は自分の隣に座った富美子に言った。
「暴れたりはね」
「したら駄目よね」
「福島さんみたいになったら駄目よ」
「福島さん?」
「福島区のね」
 自分達が住んでいる大阪市のこの区の名前も出した。
「名前の由来の」
「ああ、戦国時代の」
「福島正則さんよ」
「あの人ね」
「あの人はね」
 福島正則という人物はというのだ。
「酒乱で色々とね」
「やらかしてるのね」
「そうよ、暴れるのはね」
「駄目よね」
「お酒は楽しく飲んでね」
 そうしてというのだ。
「周りに迷惑をかけない」
「それは絶対よね」
「そうよ、最悪なのはね」
 妹にアイスを舐めつつ話した。
「それで暴力を振るう」
「暴れて」
「それがね」
「最悪よね」
「あんたもそう思うでしょ」
「ええ、私の周りにはいないけれど」
 酒乱癖のある人間はというのだ。
「やっぱりいるわよね」
「自分がそうならね」 
 酒乱癖があるならというのだ。
「少なくとも他の人やお外ではね」
「飲まないことね」
「そうしないとね、織田信長さんになれとは言わないけれど」
 酒を飲まなかった彼の様にはというのだ、彼の場合は下戸でありそれで酒は殆ど口にしなかったという。
「暴れることはね」
「しないことね」
「さもないと」
「周りに迷惑かけて」
「自分自身もね」
「大変なことになるわね」
「福島正則さん今も言われてるのよ」
 二十一世紀になった現代もというのだ。
「酒乱だったって」
「恥よね」
「功績のある人だったけれど」
 豊臣秀吉の下において活躍したのである。
「それでもね」
「それは恥よね」
「恐妻家だったのは兎も角として」
 福島正則はこのことでも有名だった。
「お酒はね」
「そうしたこともあるから」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「それで人生終わる場合もあるし」
「暴れて掴まって」
「そうもなってね」
「だから余計によね」
「そう、本当にね」
 実際にというのだ。
「そこはね」
「気を付けることね」
「そうしてね、あんた酒乱じゃないけれどね」
「それでも注意ね」
「私も大丈夫よね」
「お姉ちゃん飲んでも変わらないわよ」 
 姉にアイスキャンデーを齧りつつ答えた。 
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