イベリス
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第百三十話 最高のカードその七
「女性的ですね」
「私の潜在意識は」
「女教皇は女性的な知性であり」
「女帝は母性ですね」
「それを表すものなので」
「私の潜在意識はですか」
「女性的な優しさ、そして母親にです」
そういった存在にというのだ。
「なりたいのですね」
「そうなりますか」
「そして五枚目、過去ですが」
今度のカードはというと。
恋人の逆だった、速水は無言で頷いて言った。
「小山さんが一番ご存知ですね」
「はい」
まさにと答えた。
「それは」
「では申し上げません」
速水は穏やかな声で答えた。
「このかーどのことは」
「そうしてくれますか」
「では六枚目です」
即座に次のカードの話をした。
「これは未来ですが」
「そちらですか」
「それですが」
ここで引いた、すると。
出て来たのは力の正だった、速水はこのカードを見て言った。
「非常に確かに正しくです」
「そうしてですか」
「生きていけますね」
「私はいい人生を歩めますか」
「はい、これはかなりいい未来ですね」
速水は率直な声で答えた。
「努力して真面目に生きていかれることですね」
「これまで想って来た通りに」
「そうすればいいです」
「そうですか」
「ここでのカードが出たことは」
まさにというのだ。
「かなりいいことです」
「私の未来は確かなものと出たので」
「そうです、そして七枚目ですが」
今度はこのカードだった。
「小山さんご自身の心理状況やお立場ですね」
「それになりますか」
「それですが」
それを引いた、すると。
隠者の正だった、速水はそれを見て咲に話した。
「目立たない、密かにコツコツと学んで努力されたいですか」
「私基本インドア派で」
咲はそれでと答えた。
「あまりです」
「外に出られたりですね」
「目立つことは、ですが」
「学業に趣味に」
「コツコツとやっていって」
自分だけでというのだ
「よくなっていきたいです」
「さそうですか、ではです」
「隠者の正はですか」
「そのままです」
まさにというのだ。
「これまた非常にいいです」
「そうですか」
「はい、そして次の八枚目ですが」
それはというと。
「周りや環境ですが」
「今の私の」
「それを引かせてもらいます」
こう言って今度は八枚目を引いた、すると。
そのカードは節制の正だった、速水は考える目で述べた。
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