星河の覇皇
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第八十五部第四章 メキシコの思惑その十四
「ですから」
「サウナはですね」
「必要なものです」
ロシア人にとってはというのだ。
「まさに」
「そうなのですね」
「ロシア人は無欲ですね」
「それは私も聞いています」
「仕事とパンがあり」
そしてというのだ。
「家があり」
「そしてサウナはですか」
「この四つは必要なので」
「それで、ですね」
「サウナは必要です」
「そういうことですね」
「まあもう一つ必要なものがありますが」
グリーニスキーはシャンパンを飲みつつ笑って話した、シャンパン用のグラスの中のそれを一気に飲んだ。
「ウォッカですが」
「それはもうですね」
「別格といいますか」
「その四つよりもですか」
「必要なものかも知れません」
ロシア人にとってはというのだ。
「ロシア人はお酒が水なので」
「そう言われていますね」
「それは首相もご存知ですね」
「はい」
ガラサはグリーニスキーに微笑んで答えた。
「連合にいますと」
「誰もが聞く言葉ですね」
「ですから」
それ故にというのだ。
「私もです」
「左様ですね」
「はい、しかしサウナも」
「やはりです」
「必要で」
「ホテル暮らしが出来る様になっても」
それだけの資産があってもというのだ。
「しかしです」
「サウナがあるかどうか」
「それは極めて重要なことです」
ロシア人にとってはというのだ。
「シャワーで終わりということはです」
「ないですね」
「ロシア人の多くにとって」
「それで大統領も」
「宿泊するホテルも」
他国に行く度に宿泊するそれでもというのだ。
「やはりです」
「サウナがあるかどうか」
「ロシア人はそこを調べますし」
まずはというのだ。
「私も然りです」
「それだけサウナが必要なのですね」
「お風呂ですから」
「お風呂は必要ですね」
「そしてそのお風呂がです」
「ロシアではサウナである」
「そうです、サウナは連合全体でありますが」
それでもというのだ。
「ロシアでは特になので」
「それで、ですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「毎日入らねば」
「それでは昨夜も」
「入りました」
当然という口調での返事だった。
「そうしました」
「そういうことですね」
「首相も入られてはどうでしょうか」
「サウナにですか」
「入られたことは」
「嫌いではなく」
これがガラサの返事だった。
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