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八条学園騒動記

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第七百三十話 種類が違うその二

「そういったものの方がですか」
「美味いそうだ」
「そうですか」
「ミルクもそれぞれの生きものによってだ」
「味がありますね」
「それは君もわかるな」
「はい」
 上等兵は素直な声で答えた。
「牛乳と馬乳、山羊乳ではです」
「また味が違うな」
「豚そして羊でも」
「そうだな」
「そしてサバンナの生きものはですか」
「肉も家畜よりは落ちてな」
 牛や豚と、というのだ。
「そしてミルクもな」
「味が落ちますか」
「そうなのだ」
 これがというのだ。
「どうもな」
「そうなのですね」
「そもそもな」
 大尉はこうも言った。
「牛乳を出す牛、牛乳は品種改良されてきた」
「美味いミルクを出す様に」
「長い歳月をかけてな」
 そのうえでというのだ。
「これは馬も山羊も同じだ」
「ひいては豚も」
「もっと言えば羊もな」
「そうした家畜達はですね」
「美味いミルクを出す為にな」
 まさにそれを目的としてというのだ。
「品種改良されてきた、それでだ」
「美味くない筈がないですね」
「元々美味かったのをな」
「それに対してですね」
「少し家畜化しようとしてな」
 そう試みてというのだ。
「ミルクを飲んでみてもな」
「美味い筈がないですね」
「肉もな」
 こちらもというのだ。
「家畜はそちらもだ」
「美味くなる様にですね」
「品種改良されてきた」
「長い歳月をかけて」
「特に連合はそちらの技術も優れているからな」
 品種改良のそれもというのだ。
「味もだ」
「いいですね」
「そうだ、しかしな」
 それがというのだ。
「野生のものはな」
「家畜化しても」
「はじめたばかりだ、それではだ」
「ミルクも肉も」
「味が至らないのも当然だ」
 既に家畜になっている生きものと比べてというのだ、大尉はシマウマ達を観ながら上等兵に話していった。
「考えてみればな」
「そうなりますか」
「そうだ、ただ連合は挑戦する国でだ」
「家畜化についても」
「確かに今は上手くいっていないが」
 それでもというのだ。
「試み続けている」
「そうなのですね」
「象は労働用にな」
「食用にもですね」
「品種改良が続けられている」
 そうだというのだ。
「今もな」
「そうなのですね」
「マンモスもだ」
 この象の仲間もというのだ。
「家畜化されてだ」
「労働用とですね」
「食用にな」
 こちらにというのだ。 
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