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神々の塔

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第四十九話 悪魔が教えることその四

「それでや」
「そうしたことをしてね」
「よおさんの人を殺すんや」
「そうよね」
「権力に逆らうんやったらテロしてもええ」
 トウェインもこれ以上はないまでに軽蔑を込めて言った。
「人を殺しても何してもな」
「ほなお前が殺されろ」
 施の言葉は吐き捨てたものだった。
「まずな」
「そうなるな」
「ああ、権力に反対するのが絶対の正義やから」
 そう思い込んでいるからだというのだ。
「そう言うな」
「それでテロして人殺してもええ」
「その中で粛清なりしてもな」
「暴走してそうなってもええんなら」
「まずお前が殺されろってなるな」
「どうせそんな奴は命乞いするわ」
 メルヴィルもこれ以上はないまでの軽蔑を込めて言い切った。
「自分が殺されるってなったらな」
「それも自分だけ助かろうってな」
 羅も言った。
「他の人はどうなってもええ、自分の代わりに殺せとまで言うてな」
「自分だけ助かろうとして」
「そう言って」
 そうしてというのだ。
「助かろうとするわ」
「自分がその暴走した中におってもな」
「正しいことしているとか言うて」
「人を殺してもええとか言うて」
「自分だけはってなるわ」
「そんなのは屑の中の屑や」
 シェリルも最高の軽蔑を以て断言した。
「生きる価値もないわ」
「そういうのは悪でもあってな」
 芥川は神妙な顔で述べた。
「屑や」
「それやな」
「何が暴走しても正しいことをしてるでや」
 シェリルに吐き捨てた。
「権力に反対するんやったら人を殺してもええや」
「それで自分が命乞いするなら」
「悪でもあってやな」
「屑やな」
「吐き気を催す邪悪と言ってええかも知れんが」
「屑か」
「僕は今そう思った、もう人間ですらないわ」
 その心がというのだ。
「見下げ果ててどうにもならん」
「そんな奴やな」
「ああ、最もドス黒い悪で」
「屑でもあるな」
「吐き気を催す邪悪はまず屑や」
 そう言っていいというのだ。
「自分の為だけに卑しい悪事をするならや」
「それだけでな」
「そうした悪や」
 即ち吐き気を催す邪悪だというのだ。
「救い様のないな」
「それになるな」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「そんな奴は死んでもな」
「人間にはならんな」
「餓鬼になってな」
「苦しむことになるな」
「そや、若しくは地獄にや」 
 この世界にというのだ。
「落ちてな」
「ずっと苦しむな」
「そうなるしかないわ」
 まさにというのだ。 
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