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ハッピークローバー

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第百九話 四人で話すことその四

「お湯に入られる」
「そうかしら」
「だって泥酔していても」
 そうなっていることは確かだがというのだ。
「まだ歩けていて意識もあるから」
「湯舟に入られるのね」
「これが酩酊になって」
 富美子はこの状態を泥酔より上だと話した。
「意識もなくなってね」
「歩けなくなったら」
「もうね」 
 それこそというのだ。
「湯舟はね」
「入ったら駄目ね」
「そうかもね」
「そのお話はわかったけれど」
 これまで身体を洗っていた留奈が言ってきた、理虹もいる。二人共髪の毛も洗っていて実に奇麗である。
「私達も入っていい?」
「お湯にね」
 理虹も言ってきた。
「これからね」
「そうしていい?」
「四人は無理よ」
 一華が答えた、どうにもという顔で。
「だからね」
「交代しましょう」 
 富美子も言った。
「ここは」
「そうするのね」
「交代ね」
「ここの団地のお風呂二人が限度よ」
 富美子は留奈と理虹に話した。
「それでも狭い位だし、お姉ちゃんが言うにはね
「美奈代さんが?」
「ラブホの浴槽と同じ位の広さらしいわ」
「ラブホって」
「何かこれ位の広さらしいのよ」
「そうなの」
「ホテルによっては大きい場合もあるらしいけれど」
 ラブホテルといっても色々である、中にはバスルームが豪勢な部屋もありそこでは浴槽が広かったりもするのだ。
「けれど大抵はね」
「この広さなの」
「そうみたいよ」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「二人がね」
「限度ね」
「そうした場所でも、よね」 
 留奈は富美子に言った、二人共それぞれ髪の毛を束ねている。見れば富美子も上でまとめていてショートヘアの一華だけがそのままだ。
「ラブホだから」
「言うまでもないわね」
「そうよね」
「マットもあったりするらしいわ」 
 バスルームにというのだ。
「それでね」
「使うのね」
「みたいよ、それでね」
「交代ね」
「私達もね」
 理虹にさらに話した。
「ちょっと身体冷やして」
「そうしないと駄目ね」
「冷たいシャワー浴びて」
 冷水のそれをというのだ。
「それでね」
「身体冷やして」
「そうしてね」 
 そのうえでというのだ。
「あがるわ、先に」
「そうするのね」
「私はね。一華はどうするの?」
「私はもうあがるわ」
 一華は真っ赤になっている顔で答えた。 
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