浮気店長の末路
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二章
「警察呼んでね」
「何とかしてもらいますか」
「喧嘩にまでなるとね」
それも取っ組み合いのとだ、言葉の中にこの一文も行間に入れて話した。
「そうするのが一番よ」
「それじゃあ」
「今から呼ぶわ」
こう言って実際にだった。
吹石は警察を呼んで喧嘩している二人を器物破損やそういったものの現行犯で連れて行ってもらった、その後で。
彼女は坂下を呼んだが彼はスマートフォンから開口一番言った。
「あいつ等が勝手に喧嘩したんですよ」
「あの、坂下さんの関係者ですよね」
吹石は彼の無責任な言葉に呆れて返した。
「お二人は」
「知りませんよ」
「お付き合いしていたって」
「プライベートですから」
そのことはというのだ。
「仕事には関係ないです」
「いえ、その仕事に問題が出たので」
それでというのだ。
「お話しないわけにはいきません」
「それって俺の責任ですか?」
「坂下さんのお店のことで関係者の方々が起こしましたので」
だからだというのだ。
「お話したいです、いいですね」
「ちぇっ、わかりました」
「ちぇって何ですか」
舌打ちに無責任と無反省を感じた、そのうえで。
坂下と話した今回の件のことを本社に報告して彼の責任を問うことにした、彼は全力で責任を回避しようとしたが。
「いや、本当にね」
「責任逃れに徹していましたね」
吹石は上司と彼のことをお互い嫌そうに話した。
「あの人は」
「そうだったね」
「ですが関係者で」
「彼のお店のことだかね」
「逃れられず」
「更迭になったね」
「それで浮気がばれて」
そうもなってというのだ。
「奥さんに離婚されて」
「浮気相手の人達ともね」
「別れて。かろうじて仕事がある位ですね」
「そうなったね、しかし前から評判が悪かったけれど」
「遂にああしたことを引き起こしたね」
「ああ、浮気でね」
それが元になってというのだ。
「自業自得だよ」
「評判が悪い人はそれが噂に過ぎない場合もありますが」
「その通りの場合もあるな」
「そしてその通りなら」
「ああなるな」
「そうですね」
吹石は上司と話した、そしてだった。
後に独り身になった彼が別れた奥さんへの慰謝料の支払いに四苦八苦していると聞いた、だがそれについて何とも思わなかった。彼の以前からの評判と店での出来事それに対しての無責任さを見ればそれも当然だと思うだけだった。
浮気店長の末路 完
2023・12・20
ページ上へ戻る