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星河の覇皇

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第八十五部第四章 メキシコの思惑その九

「それこそです」
「この世にはいない」
「ですから」
 それでというのだ。
「カバリエ外相にも癖がある」
「それで、ですね」
「今回のお話は素晴らしいことを聞けました」
「では」
「そのカバリエ外相の癖をです」
 それをというのだ。
「衝き」
「そうしてですね」
「今回はことを進めていきましょう」
「それでは」
「はい、しかし意外ですね」
「カバリエ外相の癖ですね」
「一度使った策は続けて使わない」
 決してというのだ。
「何があろうとも」
「そうした人とは」
「喜劇を観た後はです」
 その後はというのだ。
「悲劇をです」
「観る人ですか」
「サッカーの後は野球を」
 それをというのだ。
「とかく次は対照的な手を打ったりです」
「行動に出ますか」
「そうなのです」
「そうでしたか」
「このことは」
「はい、私もです」
 グリーニスキーは包み隠さず答えた、答えつつ右手に持っているフォークにボイルされたソーセージを刺させた。
 そしてそのソーセージを食べてからガラサに話した。
「強敵とです」
「思っていて」
「あらゆる打つ手を想定して」
 カバリエのそれをというのだ。
「そしてです」
「そのうえで、ですね」
「対するつもりでしたが」
「その打つ手の癖はですね」
「思いませんでした、ですが」
 それでもというのだ。
「スポーツでもですね」
「打つ手がわかればですね」
「はい、その時は」
 まさにというのだ。
「楽です」
「左様ですね」
「それがどれだけ厄介な手でも」
 それでもというのだ。
「傾向がわかれば」
「対しやすいですね」
「怖いのは何時どんな手を打つかわからない」
 その場合だというのだ。
「ですが」
「わかればですね」
「その分楽です、しかしカバリエ外相も人間ですね」 
 グリーニスキーはこうも言った。
「やはりです」
「癖がありますね」
「そうですね、癖がない人間は」
 それこそというのだ。
「この世に存在しませんね」
「そうですね」
「人間なら」
 グリーニスキーは今度はハムを食べて話した。
「やはりです」
「癖がありますね」
「何かしらの」
「癖のない人間がいれば」
 それこそというのだ。 
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