星河の覇皇
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第八十五部第四章 メキシコの思惑その八
「こうしてだ」
「お水を飲まれましたね」
「そうされましたね」
「そしてですね」
「これよりですね」
「ロシア大統領のところに」
「そうだ、行く」
こう言ってそうしてだった。
実際にだ、彼は。
グリーニスキーがいるホテルに入ってそうしてグリーニスキーと共に朝食を摂りつつそうして彼と密約のことを話した。
そしてだ、こう言ったのだった。
「では」
「はい、我が国もです」
「その時はですね」
「協力させて頂きます」
「宜しくお願いします」
「それとですが」
ここでだ、グリーニスキーはビュッフェのゆで卵、固茹でのそれを食べつつガラサについてこう言った。
「中央政府については」
「承知しています」
ガラサはサラダを食べつつ応えた、レタスに胡瓜そしてセロリにミニトマトの組み合わせでフレンチドレッシングをかけている。
「そのことは」
「やはりそうですね」
「今の我々の主な相手はです」
それはというと。
「何といってもです」
「中央政府ですね」
「彼等を出し抜き」
そしてというのだ。
「そうしてです」
「そのうえで、ですね」
「国益を得る」
「そうしましょう」
「実はです」
ガラサはグリーニスキーにさらに話した。
「私はカバリエ外相とはです」
「同じメキシコ人として」
「同国人であり」
そしてというのだ。
「彼女がメキシコ政府にいた時にです」
「共にですか」
「仕事をしたことがあり」
「その縁で、ですか」
「知っています」
彼女のことをというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい」
それでというのだ。
「私でよければ」
「お話をして頂けますか」
カバリエ、彼女のことをというのだ。
「そうして頂けますか」
「その様に」
「ではお願いします、どうしてもです」
「中央政府の中でもですね」
「カバリエ外相は一番の敵です」
「左様ですね」
「ですから」
それでというのだ。
「宜しくお願いします」
「では」
ガラサは頷きそうしてだった。
グリーニスキーにカバリエのことを話した、その話が終わってだった。グリーニスキーはこう言ったのだった。
「成程、強敵ですが」
「それでもです」
「癖がありますね」
「人は誰でもですね」
「癖のない人はです」
グリーニスキーは笑って述べた。
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