八条学園騒動記
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第七百二十九話 カバは狂暴その十二
「薔薇は咲き誇っているが」
「桜がないので」
「それでだ」
「そのことをですね」
「寂しいと言ったのだ」
「そうなのですね」
「薔薇も多いが」
連合はというのだ。
「それだけでないのだ」
「桜も多く」
「他の花もでだ」
そしてというのだ。
「日本では特にだ」
「桜ですね」
「国花だからな、どの国も国花は愛していてだ」
そうしていてというのだ。
「あちこちに植えるが」
「日本人は特にですね」
「そうした傾向にあるのだ」
「そうなのですね」
「だから動物園にも多い」
日本のというのだ。
「桜の木がな」
「信仰に近い様な」
「そうだ」
大尉も否定せず答えた。
「日本の神道は森羅万象にそれぞれ神がいるな」
「八百万の神ですね」
「それこそニンフ達もな」
ギリシアの信仰でいるこの妖精達もというのだ。
「それになるのだ」
「神にですね」
「それで桜にもな」
「神がいますね」
「そう考えられている、桜だけではないが」
「それぞれの花にもですね」
「司っている神がいてな」
そしてというのだ。
「格もあり」
「桜の神の格は」
「やはり高くな」
それでというのだ。
「信仰もな」
「されていますか」
「そうもなっている」
「信仰もあるのですね」
「神道のな」
こちらのというのだ。
「日本にはある、尚シマウマや犀にもだ」
「今我々が見ている」
「神がいる」
「それぞれを司っている」
「そうなのだ」
「それが日本の神道ですね」
「そして連合全体でな」
日本だけでなくというのだ。
「そうした信仰が併存している」
「エウロパと同じく」
「一神教もあるが」
キリスト教やイスラム教の様なというのだ。
「多神教も共に信仰されていてだ」
「それで、ですね」
「あらゆるものに神が宿っている」
「そうもですね」
「考えられているからな」
だからだというのだ。
「桜もだ」
「神が宿り」
「信仰されている面もだ」
これもというのだ。
「あるのだ」
「だからサバンナの生きもの達の周りにも植えますか」
「我々から見ればミスマッチだが」
それでもというのだ。
「彼等にとっては植えずにいられない」
「桜はそうしたものですね」
「そうなのだ、日本はそうした国ということもな」
「理解することですね」
「そうしなければならない」
連合そして日本で活動している工作員としてとだ、大尉は上等兵に話した。そうしてサバンナの生きもの達を観ていくのだった。
カバは狂暴 完
2023・8・24
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