八条学園騒動記
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第七百二十九話 カバは狂暴その十
「そうなっている」
「それ以前は」
「梅の方がな」
「愛されていたのですか」
「そうらしい」
「そうですか」
「それが桜になってだ」
日本人が春もっと言えばこの世にある花の中で最も愛して尊いとしている花は桜になってというのだ。
「二千年だ」
「つくづく長いですね」
「そしてその二千年の歴史もあってだ」
そうしてというのだ。
「桜は何処にもだ」
「日本人は植えたがりますか」
「ゴリラの傍にもな」
先程観たこの生きもののというのだ。
「桜の木があったな」
「そういえば」
「兎角だ」
「桜を動物園でもですね」
「植える、連合の他国に援助をしてもな」
その時もというのだ。
「日本人は植林も得意だが」
「先程言われた通りに」
「桜の木もな」
「植えますね」
「そうする」
「一体日本の全ての星でどれだけの桜の木があるのか」
「一説にはだ」
こう前置きしてだ、大尉は話した。
「自然のものを含めて十兆はだ」
「あるのですか」
「そうも言われている」
「十兆ですか」
「その十倍という説もある」
「百兆ですね」
「兎角桜を植えたがり」
日本人はというのだ。
「そしてそこにだ」
「自然の桜の木もあるので」
「それ位あってもだ」
「百兆ですね」
「おかしくないだろう」
「日本が領有している星も多いですね」
「しかも開発を行えばだ」
星をそうして居住可能なものにすればというのだ。
「そこに必ずだ」
「桜の木を多くですね」
「人が見られる場所にな」
「植えますね」
「学校や公園、並木道にもな」
「植えていきますね」
「そして見てだ」
そうもしてというのだ。
「楽しむのだ」
「左様ですね」
「兎角日本人はだ」
「桜が好きということですね」
「そのことも覚えておくことだ」
「薔薇はどうなのでしょうか」
上等兵はここでこの花を思い出して言った。
「あの花は」
「当然愛されている」
「日本人の間でもですね」
「しかしだ」
それでもというのだ。
「第一の花はな」
「桜ですね」
「それは普遍だ」
「薔薇の方が」
上等兵は首を傾げさせて述べた。
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