おぢばにおかえり
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第七十八話 教会長さんその十六
南のところでまたお辞儀をして二人で階段を下りて靴を履いて神殿を後にしました、ここで先輩はまた言われました。
「あの子とは最近会ってないの」
「いいことですね」
私は心から思いました。
「新一君先輩毛嫌いしてますから」
「私を見たら言ってくるし」
「高井先輩と佐野先輩についても」
「ちっちにも言ってるの?」
「何かあったらすぐに言います」
それこそです。
「自分がされたことじゃないのに」
「若し私があの子に何かしたら」
「とんでもないことしますよ、絶対」
それは火を見るより明らかです。
「あんな執念深いんですから」
「それで陰湿で残忍で卑劣なのよね」
「あの子が言うには」
自分で言ってれば世話はないと思います。
「そうなんです」
「それで私達にも言ってるのね」
「露骨に嫌ってます」
大どころか超嫌いと言って憚りません。
「そうなんです」
「そうよね」
「碌にお話もしてないのにです」
「それは私の行いを聞いたからだから」
「聞いてはいますが見ていないですよ」
百聞は一見に如かずといいますし。
「それで言うんですから」
「けれど私がそうしたことは本当にね」
「事実なんですね」
「潤ちゃんや佐野がしたこともね」
「だからですか」
「言われても仕方ないわ」
「りっぷくしません?」
面と向かって言われてしかもあちこちにあることないこと言い回されてです。つくづく新一君にも困ったものです。
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