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星河の覇皇

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第八十五部第四章 メキシコの思惑その二

「ロシアとだ」
「結びますね」
「我が国が中国と衝突したならロシアがついてくれる」
「そしてロシアが中国と衝突してもです」
「我が国は中国につく」
「そうしますね」
「そしてそのアメリカ、中国ともな」
 その衝突する場合を念頭に置いている二国ともというのだ。
「我々はな」
「密約を結んでいますね」
「あの二国とは日本と衝突した場合にです」
「そうする様にしていますね」
「密約を結べました」
「連合の政治はこうしたものだ」
 ガラサはにこりとせずに述べた。
「片手で握手をするが」
「もう片方では腕相撲をしている」
「そうした間柄ですね」
「常にそうですね」
「密約を結びつつ対立もする」
「そうした間柄ですね」
「ロシアと衝突した場合は日本とだしな」
 そうした密約を結んでいるというのだ。
「お互いに見返りを出し合ってな」
「そうしていますね」
「まあ衝突がないに越したことはないですが」
「連合では衝突は常ですし」
 各国同士のそれもだ。
「そうなった場合はです」
「常に密約が動きますね」
「そうなりますね」
「そうなってもだ」 
 それでもというのだ。
「これもだ」
「連合ですね」
「この国ですね」
「この国の政治ですね」
「連合各国の間い、中央政府も入れてだ」
 それでというのだ。
「全面対決はない」
「それはないですね」
「確かに」
「それぞれが全面に衝突することは」
「それはないですね」
「まさにだ」
 連合の政治はとだ、ガラサは話した。
「片手で握手をしてだ」
「片手で腕相撲ですね」
「それをしていますね」
「そうした国ですね」
「連合は」
「四つに組むこともない」
 そうした対立もないというのだ。
「連合はな」
「左様ですね」
「それもないですね」
「連合では」
「逆に言えばだ」
 ガラサはこうも言った。
「両手で握手することもな」
「ないですね」
「完全に手を組むことも」
「それもないですね」
「密約を組む国同士で揉めることもな」
 これもというのだ。
「国益次第でな」
「それぞれの国益で」
「それで、ですね」
「協力もしますが」
「対立もしますね」
「それが連合ですね」
「そうだ、連合とはよく言った」
 ガラサはこうも言った、今度はこの連合という言葉それ自体について言うのだった。それもいささかシニカルに。 
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