八条学園騒動記
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第七百二十八話 キリンの習性その九
「それでだ」
「勝つ方にですか」
「いるらしい」
「そうなのですね」
「ただいるのはエウロパ側だ」
こちらだというのだ。
「連合が勝ってもな」
「いないのですね」
「そうらしい」
「連合では北欧の神々は信仰されていませんね」
「エウロパだけだ」
「左様ですね」
「ギリシアの神々もだ」
彼等もというのだ。
「そうだがな」
「信仰されている方にいますか」
「彼等が勝つ場合にな」
「そうですか」
「だからエウロパ戦役ではな」
この時はというのだ。
「見た人はいないらしい」
「あの戦争ではエウロパは負けてばかりだったので」
「それでだ」
その為にというのだ。
「どうしてもな」
「ワルキューレは見られなかったですか」
「そしてオーディンもな」
「そうなのですね」
「もっとも連合の方はよく見たそうだ」
勝った彼等はというのだ。
「ワルキューレではないが」
「彼等の戦の神をですね」
「数多くいるが」
「その彼等をですか」
「見たそうだ」
「そうなのですね」
「そんな話もある、理屈や科学だけではだ」
そういったもののみではというのだ。
「語れないものだ」
「世の中は」
「だから無下にな」
「何でも否定することはですね」
「よくない、同性愛もな」
こちらもというのだ。
「然りだ」
「そういうことですね」
「もっともユダヤ教で否定したのはだ」
ここからキリスト教それにイスラム教となっていく。一神教の元は何と言ってもユダヤ教にあるのだ。
「当時のヘブライの地は余裕がなかった」
「貧しい荒野でしたね」
「その中で生きねばならなかった」
「そうであるならですね」
「娯楽や享楽はだ」
「真っ先に排除されますね」
「禁欲的になり」
そうしてというのだ。
「団体生活を送ることがだ」
「正しいものになりましたね」
「さもないと生きられなかった」
当時のヘブライの地ではというのだ。
「だからユダヤ教はな」
「ああした厳格で禁欲的になったのですね」
「七つの大罪も十戒もだ」
ユダヤ教の有名なそういったものもというのだ。
「禁欲的だな」
「非常に」
「大食もだ」
七つの大罪の一つにある。
「罪になる位だ」
「余裕がなかったですね」
「そして同性愛もな」
「異性同士でないので」
「その7異性同士にすら色々決まりがあるのだ」
ユダヤ教ではというのだ。
「それを見るとな」
「同性愛は無駄ですね」
「そうした子孫を残さない享楽はな」
「唾棄すべきものだったのですね」
「生理的嫌悪感もあっただろうが」
当時のヘブライの者達にというのだ。
「やはりな」
「無駄だと判断されたのですね」
「極限の生活の中でな」
「貧しい荒野の中での」
「そうだったのだろうな」
「それで同性愛が禁じられ」
「キリスト教等にも受け継がれてな」
そうしてというのだ。
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