八条学園騒動記
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第七百二十八話 キリンの習性その七
「まさに」
「だが男が子供を産む話もだ」
「ありますか」
「何故子供が出来るか」
男にだ。
「それはな」
「同性愛以外はないですね」
「そうなる、女同士でもな」
「そうですね、不思議な話ですね」
「私もそう思う、生物学の常識ではな」
どうしてもというのだ。
「有り得ないが有り得ないこともだ」
「起こるものですね」
「世の中は何があるかわからないのだ」
こうも言うのだった。
「それでだ」
「そうしたことも起こりますか」
「奇跡だとしてもな」
そう呼ばれる様なものでもというのだ。
「やはりな」
「起こりますか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「そうしたこともある」
「ではキリンでも」
「あるかもな」
大尉はそのケースを否定しなかった。
「人間であるのだからな」
「雄でも妊娠してですね」
「子供を産むことがな」
「そうした奇跡が起こりますか」
「両性具有でなくともな」
「それはありますね」
上等兵はこのケースは否定しなかった。
「やはり稀ですが」
「半陰陽ともいうな」
「男でもあり女でもある」
「そうした身体の人もだ」
世の中にはというのだ。
「稀であってもな」
「存在しますね」
「これもまたな」
大尉は真剣な顔で話した。
「世の中の不思議なことだ」
「生物学的にも」
「普通は男性か女性かになるが」
「人ならば」
「人以外なら雄か雌かになる」
この表現になるというのだ。
「そうなる、しかしな」
「それでもですね」
「世の中まことにな」
「何があるかわからないですね」
「そうだ、両性具有があればな」
「同性愛者同士でも子供が授かる」
「非常に稀であってもだ」
それでもというのだ。
「あるのだ」
「そうなのですね」
「そしてこのことを知ることもだ」
これもというのだ。
「大事だ」
「そうですね」
「世の中色々なことがある」
「科学では説明がつかない」
「生物学から見てもな」
「有り得ないということがですね」
「起こるのだ」
そうだというのだ。
「時としてな」
「それが世の中ですね」
「有り得ないことも時にはな」
「起こりますね」
「異常と思えることもだ」
俗にそう言われることもというのだ。
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