わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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8-3
体育の競技会って言うのがあって、100m、400m走、と走り幅跳びの3種。100mでは、私はダントツ トップだと思っていたのだけど、トップは朝陽で私は13秒半ば。小学校のときより遅くなっていたのだ。そーいえば、このところ横っ飛びとかばっかりやっていたから遅くなったのかなーと。だけど、璃々は私と変わらないタイムだったのだ。彼女は少し、速くなっていた。そして、400mは泉希がトップで、走り幅跳びはバスケットの響子という人で私と朝陽は2番目だった。
「君達、4人でリレー組んだら地区でもいい線いくと思うんだがなー どうだろう?」と、岩城先生が私達のもとに来て、話し掛けてきたが
「ダメ ウチ等 ラグビーの練習でやらなあかんこと一杯なんです なぁ みんな?
」と、璃々が断っていた。みんなも同感だった。
そこに、私達が集まっていると、三津浦桜子先輩が声を掛けてきた。
「ウチ やってみようと思う」
「えっ 先輩 一緒に・・・」
「うん あんた等 見てたらチームワーク良さそうやし それぞれの役割があって、みんなが支えてくれるって 言葉効いたわー それに、このまま終わるの嫌やし、もう一度、飛び込んでみようって思ったの だけど、試しよ 面白く無いなって感じたらやめる それで、良い?」
「もちろんです ウチ等で きっと とりこにします」と、私は飛び跳ねながら先輩の手を握っていた。
その日の練習から、先輩は姿を見せて、練習に加わってくれた。最初、ボールの扱いに戸惑っていたみたいだけど、直ぐに慣れて、パスを出すタイミングなんかも抜群なのだ。さすがに、足腰もしっかりしていて、瞬発力がなくなった言っていたけど、私達とは違うのだ。
おそらく、自分ひとりでトレーニングをしていたのだろう、私達の練習メニューも難なくこなしていて、終えた後
「先輩 やっぱり 違いますね 身体の鍛えかたも・・」
「そんなことないわよ 久々で 明日は、多分 身体中痛くなるわ」
「明日も お願いしますネ」
「そうね しばらくは続けてみるわ」と、私達が歓声をあげているところに、颯がやって来て
「桜子 見てたぞ やっぱり お前は、スポーツに打ち込むのが 似合っているよ ふさぎ込んでいるよりな それに、様になっているぞ 他のみんなも 覇気というか 今日の練習は いつもと違っていた」
「まだ やるって 決めてへんわぁー」
「そーなんですかぁー 先輩 さっき しばらくって・・・」
「・・・ あのなー その先輩って やめーぇ みんなと同じように呼んでー さくら でええわー」と、言いながら先輩は嬉しそうに帰って行ったのだ。
次の日も桜子先輩は来てくれて、そして、道弘と励が3人の女子生徒を伴って来ていた。
「俺らが、勧誘したんだ 一度だけでも、側で見てみたらーって」と、励が・・・彼は、運動部ではなくて、写真部に入っていたのだ。カメラを持ってきていた。
「えぇー うそーぉ 君達は頼りにならんよーでも 頼りになるのー」
「みゅうみゅん なんやー その言い方ぁー もう ちょっとぐらい 相談ぐらいしろよー そん時の 仲間やろー」
「うん 嬉しくて 涙がでてくるよー」と、泣いたふりをしていると
「だっさー 芝居はよせ! じゃぁ 俺はいくぜー みんな 興味わいたら 入ってやってな!」と、道弘は3人の女子生徒に言って、走って戻って行った。
その後、ジョギングから柔軟、そして全力疾走をやった後、連携プレーの練習。フォワードは栞奈とさくら、私がハーフで泉希はスタンドオフ、璃々がセンターで朝陽がウィングと自然と役割が決まってきていたのだ。フォワードからボールを出した形にして、私から泉希に・・・一応、パスで繋いで、皆が追っかけたり、途中で泉希からフォワードのふたりに戻したりとか、泉希がパントを上げたりとかを繰り返しやっていた。
その時まで、3人は気持ち良さそうねとか言い合っていて、反応は良かったのだけど、私達が3対3に別れて、ボールの奪い合いをする時に、生徒だけの時は、先生からもみ合いの練習は禁止って言われていたのだけど、軽くぶつかる程度でやっていて
「ねぇ ボール持って、走るだけって ゆうてたやんかー」と、それまで、脇で写真を撮っていた励を呼び寄せて詰め寄っていた。
「そうやー あんなん 喧嘩してるみたいやんかー ウチ 怖い! 怪我したらどーすんのー!」
「そうやー TVでジャバンの試合見て カッコ良いって思ってたけど 女の子はあんな めちゃめちゃなこと せーへんねゃって 思ってた あんなん できひん!」
「ん まぁ でも でも、本番はヘッドギァとかして防御するしー」と、励も3人に詰め寄られてタジタジだった。
一通り終わった後、桜先輩が3人のもとに駆け寄って行って
「ねぇ 怖いって 思ってたでしょ? ウチはね 去年までバスケットやっててん けど、この前からラグビーやり始めたんやー 自分の思いのままボールを前に持って行ってな、止められたら、仲間にパスをして、自分の思いを繋いでくれる、又、思いっきり走って・・・思いっきりやり切ったら、自分のモヤモヤしたんが晴れて、すっきりするんや バスケットとは違う魅力があるねん スポーツするんやったら、怪我はつきもんやー そらぁー あんなにもみ合いもするでー だけど、ラグビーにはそれ以上の魅力があるねん 身体が熱うなるでー 怖がってたら、なんも出来ひん 人生もそうやー 飛び込んでみるねん それが、自信になるんやでー」
3人の女子生徒は、黙ったまま、時々頷きながら聞いていて、帰っていった。
「さくら すごぉーい ウチ等の言いたいこと ぜーんぶ 言ってくれた」と、璃々が感心していた。
「そんなん ちゃう 今の ウチの気持ちやー 始めようかと迷っている人に伝わればなって 思っただけ」と、照れていた。
「さくら 絶対に続けてな!」と、璃々は頼み込んでいた。
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