神々の塔

「自信もつくから」
「最後までいった方がええね」
「こうしたことはね」
「そやね、やっぱり」
「あたいもそう思うわ」
　こう綾乃に話した。
「ほんまね」
「そやね」
「まあこうした試練はええけどや」　
　芥川もビールを飲んで話した。
「ＤＶ男とか暴力教師とかブラック企業とかな」
「碌でもない人がおったりそうした環境やと」
「我慢しろ、逃げるな、最後までいろなんてな」
「言うたらあかんね」
「ブラック企業は絶対に他にええ企業見付けて」　
　そうしてというのだ。
「逃げんとや」
「あかんね」
「さもないと潰れるし」
　過労死や自殺に至ることすらある、鬱になる事例もある。
「出鱈目な暴力振るう奴のとこにおれとかな」
「無茶やね」
「自分の頃はそうだったとか言う奴はアホや」
　芥川はきっぱりと言い切った。
「殴られる蹴られるそれも理不尽にな」
「自分の頃はそうやったからあんたも耐えろ」
「そんなん言うて何かあったらどないする」
　その時はというのだ。
「我慢しろって言うた奴が責任取るか」
「本人の責任やって言うね」
「そんなこと言う奴はアホでや」
　それでというのだ。
「自分の考えしかないつまりな」
「自分しかないから」
「そんなことになれば」
「逃げるね」
「絶対にそうする、そんな奴の言うことなんてな」
　それこそというのだ。
「聞いたらや」
「あかんね」
「そや」
　まさにというのだ。
「ほんまな」
「そやね、それは」
「暴力からは逃げる、それは試練やない」
　断じてというのだ。
「禍や」
「それになるね」
「禍に向かって何になる」
　そもそもというのだ。
「絶対にや」
「何もならへんね」
「暴力と試練はちゃう、無体なもんはや」
「乗り越えるもんやないね」
「それの見極めも大事でな」
　それでというのだ。
「今の僕等はな」
「この世界を救う為に」
「それに必要な力を得るからや」
　その為にというのだ。
「ほんまな」
「ちゃんとやってるね」
「そや」
　まさにというのだ。
「そやからな」
「ええね」
「その通りや、まして一人やない」
　芥川はこのことも話した。
「十人や」
「皆おる」
「一人やと挫けることもある」
　そうなることもというのだ。
「しかし二人でな」
「三人そして十人やと」
「尚更や、絶対にや」
「踏破出来るね」
「暴力教師が顧問の部活であるな」　
　ここで言ったのはシェリルだった。