おぢばにおかえり
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第七十八話 教会長さんその九
「他のことは兎も角としまして」
「このことはなのね」
「どうしてもです」
本当にです。
「全くなおりません」
「それでもずっと言ってくのね」
「あの子がなおるまで」
何があってもと決めています。
「言っていきます」
「そうなのね。ちっちはそうした娘よね」
私をとても優しいお顔で見て言ってくれました。
「だから皆に好かれるのね」
「別に私は」
自分ではそうは思いません、色々欠点だらけなので。
「そんな」
「いい娘よ。人の悪口も言わないわね」
「そういうの嫌いですから」
このことは子供の頃からです。
「ですから」
「言わないのね」
「ですから新一君については」
あの子の悪口を言う癖性分についてはです。
「幾ら嫌いな相手でもです」
「言わない様にしていくのね」
「幾ら嫌いでも」
「嫌いな相手は少ないでしょ」
「そうですが」
確かに嫌いな相手は少ないです。
「その相手に対してです」
「徹底的に言うから」
「全否定して」
「はい、いい部分なんて全く見ないです」
嫌いな相手にはです。
「何もかもを全力で否定して」
「それで攻撃するのよね」
「そんな子ですから」
私としてもです。
「いつも言っていますが」
「それでもなのね」
「中々なおりません」
「それでも言い続けてるのね」
「これからも」
「そうしていってね、ちっちは絶対にあの子にとって必要な人よ」
私を見て優しい笑顔で言ってくれました。
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