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星河の覇皇

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第八十五部第三章 北京星系を見てその四十三

「やはりな」
「全くですね」
「連合ではどの国の政府も盗聴は普通にします」
「まるで息をする様に」
「同盟国相手でも」
「所詮は他国だ」
 自分達の国ではないというのだ。
「連合の中にあってもな」
「所詮は他国であり」
「今は味方でも次は敵になるかも知れません」
「そして手を結んでいても思惑は違う」
「また牽制もしてきますし」
「そうだ、相手の腹を知る為にもな」
 今は味方でもというのだ。
「盗聴位はな」
「まさにですね」
「普通のことで」
「それ位はですね」
「何処でもしますね」
「盗聴される方が悪い」
 する方ではなくだ。
「そして盗み聞きされる方がな」
「政治の世界ではそうですね」
「特に連合では」
「この国においては」
「それこそ軍人が泳ぐ様にだ」
 連合軍では中央政府軍も各国政府軍も水泳は必須となっていて誰もが泳げる。これは連合の軍隊は海軍からはじまっているからだ。身体を鍛える訓練の一環である。
「普通にな」
「盗聴をしますね」
「我が国もですし」
「そこは気をつけることですね」
「レストランでの話もだ」
 これもというのだ。
「事前に調べさせてな」
「盗聴されていないかどうか」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「するものですね」
「ホテルも同じだ、他の仕事ならだ」
 政治以外ならというのだ。
「別にだ」
「そこまではないですね」
「何処でも盗聴器を仕掛けるなぞ」
「そうしたことは」
「流石にない、だが連合の政治の世界は違う」 
 こちらはというのだ。
「そうしたことがだ」
「普通であり」
「聞かれる方が悪い」
「そこから付け込まれても」
「常識だからな、これがプライベートなら犯罪だ」
 人の話を盗聴器まで使って聞くとだ。
「それの侵害になってな」
「左様ですね」
「しかし政治の世界では違う」
「若しそこでプライベートの話を喋ってです」
「それを知られても」
「例えば不倫もだ」
 この話もというのだ。
「迂闊に出す様な政治家はな」
「聞かれていないと思い」
「それで喋っては」
「そうしてはですね」
「軽率だ」
 つまり自分が悪いというのだ。
「そうなる」
「ですね」
「ですから我々もチェックしました」
「このサウナ室ですらです」
「盗聴器が仕掛けられていないか」
「そのことを」
「我々もよく使うからこそだ」
 その盗聴器をだ。 
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