神々の塔

「恐れ多いことに」
「帝にお仕えすると思えば」
「まことに。その立場で」
「これからですね」
「皆様には女帝の方々と戦って頂き」
　綾乃に話した。
「私も含めて。そして」
「勝ったらですね」
「先に進んで頂きます」
　こう言うのだった。
「それでは」
「ほなこれから」
「はじめましょう」
　こう話してだった。
　一行は女帝達との戦に入った、女帝一柱一柱が強く苦戦したが。
　その中でだ、リーは仲間達に話した。
「確かにお強い、しかしな」
「それでもやね」
「女帝といえど今は一柱」
　綾乃に答えた。
「多くの廷臣や軍隊もない」
「その分楽やね」
「そや、どれだけ偉大な女帝も」
「その方だけやと」
「対することが出来る、そやからな」
「戦って」
「そして勝てる」
　こう言うのだった。
「それぞれの特徴を見抜いて」
「そうして戦っていったら」
「勝てるわ」
　間違いなくというのだ。
「そやからな」
「ここはやね」
「その威厳に気圧されず」
　そのうえでというのだ。
「戦うんや」
「そやね、ほな」
「綾乃ちゃんがや」
「リーダーやから」
「女帝でもあるし」
　十星連合の棟梁であることも話した。
「女帝対女帝でもあるし」
「皆を指揮して戦うんやね」
「出来るか？」
「やってみるわ、偉大な女帝さんには及ばんでも」　
　綾乃は意を決した顔になって応えた。
「それでもな」
「戦うな」
「皆と一緒に、そして勝つわ」
　今度は強い声を出した、そうしてだった。
　綾乃は一行のリーダーとして仲間達も指揮して戦った、女帝達と一柱ずつ戦って勝っていき最後に紫式部に勝つと。
　偉大な平安時代の女流作家にだ、微笑んで言われた。
「お見事です、では」
「先に進んでええですね」
「はい、先はまだ長いですが」
「それでもですね」
「どうぞ行かれて下さい」
　綾乃に恭しく応えた。
「上に」
「ほな宿屋で一泊してから」
「そうされて下さい」
「そうさせてもらいます」
　綾乃も応えた、そうしてだった。
　女帝達に勝った一行はいつも通りまずは宿屋で休んだ、そうしてまた上にと進んでいくのであった。


第四十七話　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２３・１０・１５