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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第122話 真夏のプライベートビーチ!イッセー、美女たちの水着姿にタジタジ!?

siei:リアス


「凄く快適な列車ね~、グルメ馬車に比べたら流石に劣るけどそれはあっちが規格外すぎるだけで個人が所有するモノとしては最高ランクじゃないかしら?」
「ええ、流石はあのボーノさんが貸してくださった列車ですわね」


 私達はグルメ馬車の旅を終えて列車を乗り換えて旅を続けているの。この列車はかつて出会ったボーノさんが貸してくれたそうよ、イッセーが事前に話を付けていてくれたのよ。


 私達に借りがあるとはいえこんな良い列車を口約束だけで貸してくれるなんてボーノさんは太っ腹ね。


「そういえばイッセー、この列車には私達以外に人がいないがどうやって運転してるんだ?」
「この列車は完全自動運転らしいぞ、目的地を指定してあとはコンピューターが操作してくれるって訳だ」
「ほう、ハイテクな時代になったものだな」


 ゼノヴィアは私達以外に人がいないのにどうやって列車が動いているのかをイッセーに尋ねると、彼はコンピューターが自動で運転してると答えた。


 D×Dでもそういった自動運転の研究は進んでいるけどG×Gは既に実装していたのね、技術力ではこっちが相当上ね。


「痛たた……」
「祐斗、どうしたの?腰でも痛めたの?」
「あっいえ、ちょっと……」


 祐斗が腰に手を当てて少し痛がるそぶりを見せたので私はそう質問した、でもどうしてか彼は答えにくそうにお菓子を食べているリンさんとティナさんをチラッと見ていた。


「うふふ、リアス。祐斗君はグルメ馬車でティナさんとリンさんと三日間一緒の部屋で寝ていましたわよね?」
「それがどうしたの?」
「つまり祐斗君は大人の階段を上った訳ですわ」
「あ~……そう言う事ね」


 朱乃の含み笑いを交えた説明に私は察した。祐斗は恥ずかしそうに目を伏せて顔を赤くしている。


「祐斗もそういう事しちゃったのね……弟同然に思っていた可愛い子が大人になるって結構複雑な気分なのね……」
「リアスにもいつかそういった経験が出来る機会が訪れますわ」
「そうだといいんだけど……」


 祐斗も大人の階段を上ってしまった事に寂しさを感じる私、そんな私をちょっと勝ち誇った朱乃が励ましてくれたけど正直複雑ね。


 なにせ彼女もグルメ馬車でイッセーと仲良くしていたからね。その日の夜私はルフェイとギャスパーと一緒に寝たわ。


 余談だけどイッセーはグルメ列車に旅最後の日に恋人6人と寝室に入っていったけど次の日にはケロッとして出てきたわね。女子メンバーもツヤツヤしていたし一人身にもう少し気を使ってほし
いわ。


「みなさ~ん、ごはんが出来ましたよ」
「おっ、待っていました」


 小猫の声に全員が待ちかねたように席を立つ、勿論私もよ。


「アザゼル、貴方も立っていいわよ」
「おう、やっと足のしびれを治せそうだぜ」


 アザゼルはそう言って正座を解いた。


 なぜアザゼルが正座をしていたのかというとグルメ馬車のカジノで借金を作りかけたからなの。なんでも勝って良い気になっていたアザゼルにナミとカリーナっていう女性二人が声をかけてきたらしくてかなりの美人だったから一緒にお酒を飲んだらしいわ。


 それで煽てられて調子にのったアザゼルは誘われるがままに賭けをしたそうなんだけど、惨敗して危うく借金を作りかけたそうよ。アザゼル曰くその二人はプロで絶対にイカサマしていたと言い訳したけどそこでやめなかったアザゼルが悪いとイッセーに言われてしまったの。


 結局イッセーが借金を立て替えて彼は反省として今日まで禁酒して正座で過ごしていたって訳なの。まったくいい大人が情けないわね。


「今日は良い『漆黒米』がグルメ馬車にあったので贅沢しちゃいました」
「おお漆黒米!めっちゃ美味いんだよな!」
 

 漆黒のお米を見てイッセーのテンションが上がった。


「ふふっ、それだけではありませんよ。この乾燥させた『ジュエルミート』を何でもふりかけに出来る『ポケットフードプロセッサー』に入れて……味付けに『雪塩』、『味付けのり虫』、『ごま魚』を少々足して……出来上がりです!」
「更にジュエルミートのふりかけかよ!ヤッバいな!」


 ジュエルミートの良い匂いがして私もお腹が空いてきちゃったわ、私達は直に席に着いて合唱の準備をする。


「この世の全ての食材に感謝を込めて頂きます!」
『頂きます!』


 そして私はジュエルミートのふりかけをかけた漆黒米を食べる……はぁぁ♡モチモチとした触感に甘いお米の味が広がっていくわ。そこにジュエルミートのズシンとした濃い味が加わって舌の上で濃厚な味のダンスが始まった。


「美味しいわ。流石小猫ね」
「おかずもいっぱいあるから沢山食べてくださいね」


 私達は食事を楽しみながら今日の日程を話し合うのだった。


「ならガツガツカレーの出るお店が開くのは明日なのね」
「ええ、今日は目一杯海で遊んで明日カレーを楽しむって感じですね」


 イッセーの言葉に私は良い考えだと思った、折角海に来てもお腹が膨れていたら水着を着こなせないから。


「夜はバーベキューの準備も出来ているから期待していてくださいね」
「やったぁ!今からお腹が空いてきちゃったわ!漆黒米おかわり!」
「ああ、十分に腹を空かせて置かないとな!私もおかわりを頼み!」
「お腹空かせるって言ってるのに膨らませてるにゃ」


 小猫の言葉にイリナとゼノヴィアは目を輝かせておかわりを要求したわ。それを見ていた黒歌は呆れたようにそう呟いた。


 それから暫くすると綺麗なビーチが見えてきたわ、人もたくさんいるわね。


「先輩、ビーチが見えてきましたよ」
「いや、俺達はあそこでは降りずにもう少し先に行った場所で降りるぞ」
「えっどうしてですか?」


 小猫がイッセーの腕を引っ張ってはしゃぐがイッセーはそこでは降りないと答えた。それを聞いたギャスパーが首を傾げた。


「あそこは一般人向けのビーチだからな、この先にIGOが所有するプライベートビーチがある。人が多いとオブは連れてこれないからな」
「確かにオブちゃんを見たら普通の人たちは怖がっちゃいますよね」


 イッセーの話にアーシアは納得したように苦笑いを浮かべた。犬っぽいテリーや小さなペンギンのユンなら誤魔化せそうだけど見た目が完全に怪獣なオブはそうはいかないのよね。


「オブちゃんは良い子なのですが普通の人からしたら怪獣にしか見えませんのよね、可哀想ですわ」
「そうだな、まあ他の人に理解しろなんて言っても無理だからこればかりは仕方ないさ」


 朱乃はオブは良い子だと言いイッセーも同意するが仕方ないと話す。


 こればかりはどうしようもないわよね、一緒に暮らしている私達はオブの事をよく知ってるけどそうじゃなければ怖いでしょうし。


 仮にしっかり教育して人間を襲わないライオンや熊をペットに持つ人が「この子は人を襲わないように教育しているので安心してください」なんて言っても納得されるわけがないからね。


 そして列車は一般ビーチを通り抜けてIGOが所有するプライベートビーチに向かうのだった。


―――――――――

――――――

―――


「わぁぁっ!綺麗な砂浜です!」


 小猫が目をキラキラさせて眼前のビーチを見ていた。しっかり整備されていて綺麗な白い砂浜が太陽の光を反射して眩しいわね。


「海も綺麗ですわね、水の中が透き通って見えますわ」
「ああ、俺も久しぶりに来たけど良い景色だよな」


 朱乃とイッセーが腕を組みながら景色を堪能していた。


「それじゃテリー達を呼びますね」


 ルフェイがそう言って魔法陣を展開する、そして眩い光が放たれてそれが収まるとテリー、オブ、ユンが現れた。


「テリー!今日は楽しもうな!」
「ワン!」


 テリーは嬉しそうにイッセーに飛びついて顔を舐める。


「ゴガァァァ♪」
「おおオブ、お前も楽しみだったか!ていうかお前舌長いんだな」
「アウ!」
「ははっテリーも嬉しそうで何よりだ……お前らちょっと止めてくれ、唾液で顔がベタベタ通り越して唾液で包まれかけているんだが?」


 オブとテリーに顔を舐められ続けているイッセーはそう言ってハンカチで顔を拭いていた。


「ユンユーン!」
「ユン、海は久しぶりだよね?今日はいっぱい遊んでいいからね」
「ユーン!」


 ユンは嬉しそうに走り回っていた。やはりペンギンだから海が恋しいのかしら?


「よし、じゃあパラソルとかの設置は俺達でしておくから女子メンバーはあっちの小屋で着替えてきなよ」
「お言葉に甘えるわね」
「ユンもここで待っててね」
「ユン?」
「ユン、一緒にご飯でも食べていようぜ」
「ユーン!」


 私達はイッセーの好意を受け取って先に水着に着替えることにしたわ。


 ユンは小猫についていこうとしたけどイッセーに抱っこされて魚を渡されると美味しそうに食べ始めた。


「あら朱乃、貴方また胸が大きくなった?」
「リアスこそ大きくなってるじゃない、それでいてスタイルは良いしグラビアアイドルも顔負けですわね」


 お互いに明らかに成長した体を見て驚いていた。この世界のご飯は美味しいけど過酷な修行をしているから太らないしむしろ良い方向に成長しているのよね。


「ふうぅ……またブラが大きくなってしまいました。そろそろサイズを変えないといけないかもしれませんね」
「私も大きくなっちゃったのよね、イッセー君は喜んでくれるからいいんだけど」
「私もイッセーの為に下着を拘ってみようかな。今までは動きやすいスポーツブラが好みだったが調べたらこんなのもあるそうだぞ」
「うわ~、これって下着なの?もうそういうことする為のモノじゃない」
「で、でもイッセーさんが喜んでくれるなら……」
「三人で着て迫ってみないか?初めての時は優しくしてくれたが今度は獣のように荒々しいイッセーを見れるかもしれんぞ」
「激しいイッセー君……アリね!」
「アリです!」
「ああ、アリだな」


 アーシア、イリナ、ゼノヴィアは下着のカタログを見て盛り上がっていたわ。


「アンタまた足が太くなったんじゃないの?」
「なによ、アンタだって腹が膨らんできたし!」
「そ、そんなことないわよ!祐斗君は私の抱き心地が良いって言ってくれたもん!」
「ウチだって祐斗君に太ももが好きだって言って貰ったし!」


 ティナさんとリンさんはお互いの体を指差し合って喧嘩を始めてしまう。


「ふんふ~ん、海で遊ぶのも久しぶりですねー♪この改造した水鉄砲で師匠を狙い撃ちです!」


 ルフェイは我関せずと楽しそうに水着に着替えていたわ。


「あれ、白音仙術をつかってるの?」
「はい、こうしないと皆さんに埋もれてしまうので」
「別に小さいままでも良いと思うけどなー。ハイスクールD×Dって巨乳のキャラがやたら多いから貧乳は寧ろ貴重じゃない?」
「メタい話は止めてください」


 小猫は仙術で体を大きくして黒歌となにやら変な話をしていた。


「さあ行きましょうか」


 水着に着替えた私達はイッセー達の元に向かった。


「おまたせ~」
「うおっ!?」
「これは凄いね……」
「はわわっ」
「ひゅ~♪」


 私達を見たイッセー達がそれぞれ違う反応を見せる。


「リアスさん凄く似合っていますね、その水着。まるでプロのモデルみたいですよ」
「ありがとう」


 私が着ているのはモノキニという水着ね、色は黒よ。


「朱乃はやっぱり抜群のスタイルだよな、見惚れてしまうよ」
「イッセーが気に入ってくれたなら嬉しいですわ♡」


 朱乃の水着はクロスデザインというタイプの水着ね、流石のスタイルにイッセーも見惚れているわ。


「イッセーさん、私はどうですか?」
「おっ、フリルの水着か。可愛らしいアーシアが更に愛らしく見えるな」
「えへへ」


 アーシアはフリルのついた可愛らしいタイプの水着ね、色は私と同じ黒よ。因みにギャスパーも同じものを着ているわ。


「ふっふっふ、師匠どうですか?大人っぽいでしょう?」
「ルフェイはワンピースタイプの水着か、大人っぽいんじゃないか?」
「もう!私だけ子供扱いしてないですか!?」


 ルフェイはワンピースタイプの水着ね、色はピンクよ。子供も好きな色だからかイッセーの彼女を見る目が背伸びした娘の成長を喜ぶ父親みたいになってるわね。


「イッセー、お前が選んでくれた水着だ。似合うか?」
「ああ、凄く魅力的だよ。ゼノヴィアはやっぱり鍛えているから良い身体しているよな」
「ふふ、お前の熱い視線を浴びるのも悪くないな」


 ゼノヴィアはワンショルダービキニという片方の方が露出する水着を着ているわ。色は薄い緑ね。


「イッセー君!私は?私はどうかな!」
「おおっ!イリナ可愛いな!すっごく似合ってるよ!あの小さかったイリナがこんな綺麗な美少女になるとは……感慨深いな!」
「イッセー君ったらパパみたいなこと言ってる!もっとちゃんと褒めてよぉ!」
「最高に可愛いよ、自慢の彼女だ」
「えへへ~♡」


 イリナはブラジリアンビキニというトップとボトムの面積が小さい布地の水着を着ているわ、色は赤ね。


「イッセー、私の水着はどうかな?」
「黒歌も綺麗だ、凄く似合ってるよ」
「にゃはは、イッセーの目線が胸に行ってるにゃん♡」
「え、そ、そんなことはないぞ!」
「可愛い♡」
「ううぅ……」


 黒歌の着ている水着はホルターネックという胸が中央に寄せられる水着よ、ただでさえ大きな黒歌の胸が強調されて凄い状態になってるわね。イッセーも見てしまうのも無理はないわ。因みに色はカーキよ。


「そういえば小猫ちゃんは?」
「先輩、私はこっちですよ」
「ああ、そこにいたのか……」


 小猫の声が背後から聞こえたイッセーは振り返ったんだけど彼女を見て言葉を失ってしまっていた。


「先輩、どうですか?」
「……」
「先輩?」
「……綺麗だ」
「えっ?」


 様子の可笑しいイッセーに小猫が首を傾げたんだけどイッセーの綺麗だという言葉に驚いた。


 言い方が今までと違って本当に心の底から絞り出したような言い方だったわ。勿論全員に言った言葉はイッセーの本音でしょうけど小猫だけ重みが違った。


 小猫が着ている水着はワイヤー入りのタイプで大人っぽい印象を出していた、仙術で成長した体に似合っていて凄く綺麗だわ。色は薄い青よ。


「先輩はこの水着を気に入ってくれましたか?」
「ああ、凄く綺麗だよ……ごめん、もっといろいろ言いたいんだけどうまく言えないんだ」
「ふふっ、そんなに考えなくても良いですよ。貴方の『綺麗』って言葉だけで幸せですから」


 イッセーと小猫はそう言って見つめ合っていたわ、あそこだけ明らかに空気が違うわね。


「あらあら、やはりイッセー君を一番虜にしてしまうのは小猫ちゃんなのね」
「うぅ~……悔しい」


 朱乃は少し悔しそうにしていてイリナは涙目になっていた。


「ほら皆、落ち込んでいないで海を満喫しましょう!」


 私はそう言って空気を切り替える。するとイッセーの恋人たちは桃色の空気を出すイッセーと小猫に突撃していったわ。


「小猫ちゃん!そこまでだよ!」
「イッセーさん!一緒に遊びましょう!」


 小猫にイリナが抱き着いて物理的にイッセーから離した、そしてアーシアがイッセーを引っ張って海に向かう。


「もう!私とイッセー先輩の良いムードを邪魔しないでください!」
「きゃあっ!やったわね!」


 小猫が水鉄砲でイリナをビショビショにしてしまう、イリナも負けじと水鉄砲で応戦していく。


「イッセー、覚悟にゃん!」
「おっと、甘いぜ黒歌!」
「やったな~」


 黒歌が手ですくった水をイッセーに向けて飛ばすとお返しにイッセーも同じように水を掛け合った。


「ふふっ、皆楽しそうで何より……」
「リアスさん、覚悟!」
「きゃあっ!?」


 すると背後からルフェイに水鉄砲を撃たれてびしょぬれになってしまったわ。


「やったわね、ルフェイ……ってあら?この海水しょっぱくないわね?寧ろ甘いわ」
「ここの海は『シュワール海』といってなんとソーダやコーラでできているんですよ」
「へぇ~、そんな子供が夢みる妄想みたいな海が存在するのね。流石グルメ界だわ」
「あはは、噂では食べられるマグマもあるこの世界で今更ですよ~」
「そうね、うふふ」
「あはは~……隙あり!」
「ぶっ!」


 いきなり顔面に水をかけられて思わず変な声を出してしまったわ。


「あはは!リアスさん変な顔~」
「ルフェイ~?」
「おっと……」


 私は額に青筋を立てながらルフェイを睨むと彼女は一目散に逃げだした。


「待ちなさい!」
「きゃ~♡」


 そして私も皆と水の掛け合いをするのだった。それからは色んな海の遊びをしていったわ。


「よし、ここだな!」
「待て待てゼノヴィア!なんでデュランダルで斬ろうとしてるんだ!?」
「スイカが粉々になってしまいますよ……」


 スイカ割りをしていたゼノヴィアが何故かデュランダルを出してイッセーに怒られていたわ、これにはギャスパーも呆れていた。


「ちょっと!朱乃さんズルいよ!光になって移動されたら勝てないじゃん!」
「うふふ、イッセー君が景品だから張り切っちゃいましたわ♡」


 ビーチフラッグスで朱乃が八咫鏡をつかって勝ちイリナが怒っていた。イッセーにお願いできる権利をかけていたとはいえ大人げないわよ、朱乃。


 因みにその後朱乃は商品のお願いを皆の前でイッセーと熱いキスという形で使ったわ、それを悔しそうに見ていたイッセーハーレムの皆はアーシア以外仙術や道具を使い出して試合にならなくなってしまいイッセーに怒られていた。


「いくよイッセー君!」
「ああ、合わせろよ祐斗!」
「チッ、もう少しおじさんをいたわれよな!」
「いきます!」
「イッセー先輩、頑張ってください!」
「祐斗君、ファイトだし!」
「アザゼルもやるじゃない」
「ギャスパー君もカッコいいですよー」


 ビーチバレーでイッセーと祐斗のペアがスマッシュでボールを放つがアザゼルがそれを受けてギャスパーが返しにスタンドでスマッシュを放った。


 激しい攻防が繰り広げられている男たちの戦いを女子が応援する。小猫、リンさん、私、ルフェイはそれぞれ違う相手を応援しているわ。


「祐斗くん、ウチにちゃんと捕まってくれないと危ないし」
「は、はい……」
「じゃあ私は祐斗君の後ろから抱き着くわね」
(うわわ、前も後ろも柔らかい……)
「じゃあオブ、頼むぞ」
「ガア♪」


 バナナボートに祐斗を挟むように乗るリンさんとティナさん、それをオブが引っ張って泳ぎだした。


 本来なら水上バイクなどを使うんだけど18歳にならないと免許は取れないのでいつものメンバーは乗れないの。


 成人してるアザゼルは面倒くさいと嫌がった、リンさんとティナさんは免許を持っていないからオブに引っ張ってもらうことにしたの。


 中々のスピードで泳ぐからスリリングで楽しかったわ。


「わあ~、海の中も透き通っていて綺麗です」
「にゃはは、昔お父さんに呼んでもらったおとぎ話の中に来たみたいだね」
「グルメ界にもこういった綺麗な景色はあるんですか?」
「あるにはあるけど……多分楽しんでいる暇はないと思うよ。危険な環境がまるでマシンガンみたいに飛んでくるからね」
「そうなんですか……なら私ももっと頑張って強くなって景色を見てみます!」
「ふふっ、アーシアは根性あるね」

 
 魔法で息継ぎしないで水の中にいられるようになった私達は海中散歩を楽しんでいた。


 アーシアが綺麗な景色に感動しているわ、黒歌の言う通りおとぎ話の中に入ったような光景ね。


 アーシアはグルメ界に入った事のある黒歌にこういう綺麗な景色はあるのかと尋ねる、黒歌はあるとは言ったが景色を楽しんでいる余裕はないと答えた。


 それを聞いたアーシアはもっと強くなって景色を楽しめるようになると意気込み、それを聞いた黒歌は優しい笑みでアーシアを応援した。


 美味しい食材も良いけどこういった綺麗な景色も旅の醍醐味よね、アーシアみたいな気持ちを忘れないようにしたいわ。


「さあじゃんじゃん焼くのでいっぱい食べてくださいね~」
「肉も野菜も美味いな!」
「さっき釣ってきた魚や海鮮物も良い味がしてるね」
「外で食べるとまた格別なのよね」


 小猫が炭の上に乗せた網で食材をこんがりと焼いていく、香ばしい匂いにお腹が鳴っちゃった。


 ゼノヴィアは両手に肉をもって交互に食べているわ、行儀が悪いけど今日は見逃してあげましょう。

 イッセーと祐斗は肉と野菜、そして海鮮物を堪能している。ティナさんの言う通り外で食べるとまた普段よりおいしく感じるのよね。


「にゃはは、ガーリックライスが出来たよー」
「わーい!お肉にぴったり!山盛りでお願いしまーす!」
「ミルクニンニクなので僕でも美味しく食べれます」


 隣で鉄板の上でガーリックライスを作っていた黒歌の声にイリナが高速でかけよったわ。その横でギャスパーが苦手なニンニク料理を美味しそうに食べていた。


「あー!ビールが美味い!久しぶりに運動したから余計に上手く感じるぜ!」
「おじさまは外に出て運動しないからこれを機に運動をしたらどうですの?」
「断る、俺は人間じゃないから生活病にはならないしそんな暇があったら実験とかしていた方が良いぜ」
「もう……」


 ビールを飲みアザゼルに朱乃がこれを機に運動を始めたらどうかと言うが断られて困り顔を見せた。仕方ない人ね。


「お前らも一杯食えよ、明日は美味いカレーも食えるからな」
「ワン!」
「ガァ」
「ユーン」
「クポー!」


 イッセーはテリー達にそう言って更に肉や魚を与えたわ、あの子達も美味しそうに食べてくれて何よりね。


「ははは!軌跡を描くぞ!」
「ま~る♪さんかく~♪」
「危ないですよ」


 食事を終えて夜になったので私達は花火を楽しんでいるわ。はしゃぐゼノヴィアやイリナに小猫がやんわりと注意する。


「おっ、今日は星が綺麗に見えるな」
「そういえばイッセー、宇宙にも食材はあるの?」
「あああるぞ、アッポロという料理人が初めて宇宙の食材を使ったレストランを開いてランキング100位内に入ったのがきっかけだな」
「へぇ~、宇宙の食材……気になるわね」
「まあその店は凄い人気だから俺でも10年くらいは予約しないといけないんですけどね」
「あら、そうなの。残念ね」


 私はイッセーに宇宙に食材はないのかと尋ねるとやはりあるみたいですごく珍しい物みたいなの。食べてみたいけど10年もまたないといけないのね。


「でもまずは地上から制覇しないとな、宇宙はグルメ界以上にヤバいって聞くし」
「やっぱり危険なのね。でもいつか皆で行ってみたいわね」
「ああ、いつかGODをゲットしたら今度は宇宙を目指すぞ!」
「ええ、その時は皆で付いていくからね」


 まだ気が早いとは思うけどいつか宇宙に行く日を楽しみにしながら私は夜空に浮かぶ星々を見つめるのだった。
 
 

 
後書き
 祐斗だよ、遂にガツガツカレーが食べられる日が来たね……と思ったんだけど店が閉まっていたんだ、一体どうしたんだろう?


 イッセー君がお店の亭主と知り合いだったので話を聞くとどうやらカレーの材料を探しに行った妹さんが帰ってこないみたいだね。


 ここは僕達の出番だよ、イッセー君!美味しいカレーを食べるためにもその妹さんを助けて食材を集めよう。


 次回第123話『ガツガツカレーを完成させろ!祐斗VSウォータイガー!!前編』で会おうね。


 次回も美味しくいただきます。 
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