新オズの臆病ライオン
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第三幕その三
「意地悪もしないし」
「弱い者いじめだってしないよ」
「その力もね」
「自分のお仕事や他の誰かを助ける為に使うんだ」
「そんな風になりたいですね」
神宝はここまで聞いて思いました。
「本当に」
「全くですね」
「そうなりたいですね」
「ゴリラみたいに」
「優しくて穏やかで」
恵梨香達四人も同じでした。
「そんな風になりたいです」
「小さな相手も絶対に傷付けない」
「紳士でもありますし」
「そんな風になってです」
「皆に優しくしたいです」
「何でも外の世界ではゴリラは誤解されているんだよね」
臆病ライオンは残念そうに言いました。
「怖いって」
「そう思ってる人多いよ」
神宝はその通りだと答えました。
「お顔がね」
「怖そうだから」
「だからね」
それでというのです。
「よくね」
「怖いって思われているね」
「そうした映画もあるしね」
「キングコングだね」
「うん、あの映画じゃ巨大なゴリラが暴れるんだ」
そうするというのです。
「大きなビルにも登って」
「そうだね」
「けれど実際のゴリラは」
「そんなこと絶対にしないよ」
「そうだね」
「間違ってもね」
それこそというのです。
「そんなことはね」
「しないね」
「こんな優しい生きものいないよ」
臆病ライオンはとても優しい目でゴリラを見つつお話しました。
「僕も凄くね」
「優しくしてもらっているんだね」
「そうだよ」
「いや、そう言ってもらって嬉しいよ」
そのゴリラも言ってきました。
「僕もね」
「君もなんだ」
「誰だって優しいって言ってもらったらね」
「嬉しいんだね」
「だから僕もだよ」
「そうなんだね」
「オズの国の皆はそう言ってくれるからね」
ゴリラをというのです。
「凄くね」
「嬉しいんだ」
「いつもね」
神宝ににこりと笑ってお話します。
「そうだよ」
「それじゃあ君達は幸せかな」
「うん、凄くね」
「それは何よりだね」
「そして美味しいものも」
これもというのです。
「孫文に楽しめるからね」
「尚更幸せだね」
「そうなんだ」
こう言うのでした。
「そちらのことでもね、ただね」
「ただ?」
「皆僕達がバナナ好きだと思ってるね」
ゴリラは笑って言いました。
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