神々の塔
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第四十五話 歌劇の世界からその五
「それこそ箸が転がってもな」
「人類滅亡やね」
「それを喚き散らす様なな」
そうしたというのだ。
「正真正銘のや」
「そうした人やね」
「まさに悪質な電波を自分達から発してる」
そうしたというのだ。
「洒落にならんや」
「そうした人達やね」
「そや」
こう話すのだった。
「悪い金儲けで言ってるんやなくて」
「あれでやね」
「言ってるな」
「正真正銘の人等やね」
「そやからな」
「お話聞いたらあかんね」
「箸が転がったら人類滅亡とか言うとかな」
そうしたというのだ。
「禁止する法あるか」
「ないね」
綾乃はリーに答えた。
「十星連合には」
「狂人でも人を殺したら罪になる」
「十星連合やとそやね」
「そんなんで許せるか」
殺人という大罪はというのだ。
「人を殺したらな」
「例え生き返られるにしても」
「大罪の中の大罪や」
「そやから」
「それでや」
だからだというのだ。
「精神鑑定で狂人と出てもな」
「精神異常でも」
「罪は罪でな」
「処罰せんとあかんね」
「何がキチガイ無罪や」
これ以上はないまでに忌々し気にだ、芥川は吐き捨てる様にして言った。嫌悪感に満ちた言葉だった。
「例えキチガイでもや」
「罪は罪やし」
「十星連合ではな」
「容赦なく処罰してるわ」
「殺人罪適用してや」
「死刑にしてるで」
「そや、キチガイでも人殺しは許さん」
芥川は言い切った。
「十代でもな」
「少年法かてないし」
「死刑もや」
「あるし」
「死刑廃止とかもや」
それこそというのだ。
「ないわ」
「そうしてるね」
「それでキチガイも死刑にしてるけど」
「そうしたこと喚く人もやね」
「キチガイでな」
そう言っていい者達でというのだ。
「まさに箸が転がってもな」
「人類滅亡とか言うのは」
「疫病で人類が滅亡することは普通ないし」
ペストの様な恐ろしいものでもというのだ。
「大体そこで宇宙人とか災害とか影の世界政府とか」
「何でもありで」
「何度人類滅亡するねん」
芥川は今度は冷めた目で言った。
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