神々の塔
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第四十五話 歌劇の世界からその四
「そうした政もな」
「やってくな」
「そうしてくで」
「これからもやな」
「疫病も怖い」
リーは真剣な顔で言った。
「そしてこれが世界の脅威である可能性もな」
「あるね」
綾乃が応えた。
「疫病はほんまに怖いわ」
「そやな」
「若し疫病が世界を脅かす脅威でも」
「不思議やないな」
「むしろ有力な候補の一つやね」
「そやな」
まさにというのだ。
「それは」
「そうやな」
「他にも自然災害とかどっかから誰が攻めて来るとか」
「考えられるけどな」
「それでも疫病も」
これもというのだ。
「かなりの可能性があるやろね」
「ああ、そやからな」
「疫病対策もやね」
「出来るだけな」
「やってくんやね」
「そや」
まさにというのだ。
「政としてな、これをせんとな」
「為政者失格やし」
「星のモンとしてもな」
「そうなるね」
「まあ免疫付ける為にな」
その疫病に対してだ。
「敢えてノーガードにしてな」
「対策立てへんのもやね」
「あるけどな」
「それも手やね」
「流石に普通の疫病で世界が滅ぶとかな」
「ないね」
「ないわ、それで煽る奴がおるが」
人類滅亡の序曲だの予言されていただの言ってだ、世の中以上に破滅願望が強くそんなことを喚く輩もいるのだ。
「それはな」
「普通はないね」
「そや、流石にな」
リーはさらに言った。
「そんなことはないわ」
「幾ら悪質な疫病でも」
「ペストにしてもや」
今話している恐ろしい疫病でもというのだ。
「欧州の三分の一の人が死んでな」
「物凄いことになったけど」
「欧州は滅んでへん」
「そやね」
「何度か大流行してるが」
ユスティニアヌス帝の頃のビザンツ帝国や明代の中国でもだ、十九世紀には世界的に流行したことがある。
「そやけどな」
「人類滅んでへんね」
「そや、普通の疫病ではな」
「人類滅びることはないね」
「若し滅びるって奴がおったら」
リーは強い声で言い切った。
「そいつの一連の発言見るんや」
「それをやね」
「宇宙人だの影の組織だの電波だの洗脳だのや」
「何でも言って」
「それでや」
そのうえでというのだ。
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