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神々の塔

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第四十五話 歌劇の世界からその一

                第四十五話  歌劇の世界から
 東欧のそれを思わせる森の中にあってだ、綾乃は言った。
「今度の神霊さん達は確か歌劇の世界からやったね」
「夜の女王とかな」
 リーが答えた。
「そうした神霊さん達がや」
「お相手やね」
「蝶々さんとかな」
「あの方もおられるんやね」
「そや、蝶々夫人もな」
 リーは蝶々さんをこの名称で言い換えもした。
「出て来るで」
「そやね」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「やっぱり強いわ」
「そやね」
「夜の女王さんはや」
「術も強くて」
「そのお力もな」
 それもというのだ。
「かなりや」
「そやね」
「そやからな」
「今回もやね」
「油断大敵や」
 そうだというのだ。
「ほんまな」
「そやね」
「それでな」
 さらにと言うのだった。
「この階はプラハの近くの森か」
「東欧のやね」
「そんなとこやろな」
「道理で出て来る獣やモンスターがそうした感じね」
 アレンカールは今出て来た狼や熊達を一人で倒してから答えた、その手際の良さは見事と言っていいものだった。
「何か神霊さん達に仕える人達もね」
「さっき出て来たんは甲冑の兵隊さん達やったな」
 シェリルは自分が術で倒した彼等のことを話した。
「ドワーフの」
「あの人達はスペインな感じやったけど」
「マンリーコさんに仕える人達か」
 この神霊にというのだ。
「スペインやと」
「マンリーコさんはトロヴァトーレだけれど」
 この歌劇の主人公であるのだ。
「あの作品の舞台スペインやしね」
「それでな」
「スペイン風なのね」
「そや、それでや」
「その人達も出て来て」
「さっき私が倒した」  
 そうしたというのだ。
「まさにな」
「そうよね」
「そして今さっきはな」
「あたいが倒したわ」
「狼や熊を」
「そうしたわ、歌劇の世界もね」
 アレンカールはさらに言った。
「神霊さん達の世界ね」
「そやな、この世界やと」
「ええ、数多くの神霊さん達がいて」
 そしてというのだ。
「歌劇の登場人物も」
「そうなってる世界や」
「そういうことね、ほなね」
「今度はな」
「その方々と戦いましょう」
 アレンカールはシェリルに話した。 
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