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ハッピークローバー

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第百四話 過ごしやすくなってその十三

「安いしあんたそれでも普通に食べるし」
「そうだったの」
「けれどお父さんも柿大好きで」
 夫の話もした。
「お父さん種なしが好きでしょ」
「種ありでも食べるけれど」
「あまりいい顔しないでしょ」
「そういえばそうね」
「だからね」
 そうした事情があるからだというのだ。
「今回はね」
「種なしにしたの」
「少し高かったけれど」
 種ありと比べると、というのだ。
「そうしたの」
「そうなのね」
「それでね」
 母はさらに言った。
「デザートにね」
「ええ、頂くわ」
「そうしてね」
「今日は飲むつもりないし」
 理虹は酒の話もした。
「食べ終わったら」
「柿にするわね」
「そうするわ」 
 実際にというのだ。
「ご飯の後で」
「しっかり食べてね、ご飯も」
「そうするわ」
 母のその言葉に頷いた。
「大好きだしね」
「それじゃあね」
「秋になったら」
 理虹はしみじみとした口調で言った。
「美味しいものが一杯あってね」
「いいでしょ」
「銀杏もあるし秋刀魚だってね」
「あるでしょ」
「最近高いけれど」
 秋刀魚、この魚はというのだ。
「あるしね」
「秋刀魚近いうちに買うから」
 母は笑顔で話した。
「楽しみにしててね」
「そうするわ、秋刀魚の時は」
 理虹は笑顔で言った。
「お酒もね」
「飲むでしょ」
「秋刀魚にレモンかすだちのお汁か大根おろしでね」
「大根おろしにするから」
「それならそれかけて」
 そうしてというのだ。
「それでね」
「お酒の肴にするのね」
「そうするわ、お酒に合うのよね」 
 秋刀魚を焼いたものはというのだ、理虹は今は栗ご飯を食べているがその秋刀魚の話もするのだった。
「秋刀魚って」
「それでお父さんも好きだしね」
「今度なのね」
「スーパーのちらしで安い日チェックしたから」
 だからだというのだ。
「その日にね」
「買ってくれるのね」
「そうするから」
「楽しみにしていればいいわね」
「そうしてね」
「何かね」 
 妹も言ってきた。
「最近確かに秋刀魚ね」
「高いわよね」
「ちょっと前まで普通に食べられたのに」
 そうした魚だったのがというのだ。
「最近ね」
「高くなったわね」
「色々な事情あるらしいけれど」
「秋刀魚も美味しいし」
「安く食べられるなら」
 それならというのだ。 
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