八条学園騒動記
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第七百二十五話 ライオンの昼寝その五
「やはりな」
「同じですか」
「あまり食べない」
食べることは事実でというのだ。
「そこはな」
「わかっておくことですね」
「そうだ、何でも食べても好みがありだ」
そしてというのだ。
「そのうえで量の問題もある」
「そちらもですか」
「幾ら連合の者達でも無制限に食べられない」
「よく底なしだと言われますが」
「バイキングの様に食べるだな」
「それはです」
上等兵は強い声で言った。
「実際にです」
「そうだがな」
「連合の者達といえば」
それこそというの。
「恐ろしいまでです」
「左様ですね」
「実際極めてよく食べるしな」
「他の国の者の倍以上は」
「体格もあるだけにな」
「まさにプロレスラーの様に」
この時代でもこの仕事に就いている人間は非常によく食べる、力士やレスラーは食べることも仕事であるからだ。
「食べますね」
「そうだな、しかしな」
「それでも限度がありますな」
「そのプロレスラーも底なしではない」
その彼等もというのだ。
「決してな」
「左様ですね」
「だからな」
それでというのだ。
「ライオンよりも牛や豚を食べてな」
「ライオンはあくまで奇食ですか」
「そして連合は奇食が多いのだ」
そうした国だというのだ。
「だからな」
「そうしたこともですね」
「踏まえてだ」
「考えることですか」
「常食ではないのだ」
決して、そうした言葉だった。
「連合でも市場に普通に出ている肉以外はな」
「ライオンにしてもですね」
「そうだ、それにだ」
「それに?」
「また言うがネコ科の生きものは食べてもな」
そうしてもというのだ。
「美味しくないのだ」
「そうなのですね」
「犬も食べないだろう」
大尉はこの生きものの話もした。
「連合全体で食べられていることは事実だが」
「犬鍋等ですね」
「韓国料理で有名だな」
「保身湯でしたか」
上等兵は韓国の犬肉と聞いてこう言った。
「あのお料理ですね」
「そうだ、あの料理は犬鍋だ」
「そうでしたね」
「韓国料理で知られた料理の一つだが」
それでもというのだ。
「実際は殆ど食べられない」
「他の肉がよく食べられますね」
「まさに牛や豚の方がな」
「よく食べられるのですね」
「そうだ」
その実はというのだ。
「これがな」
「そうですか」
「韓国でもな」
「犬を食べることで知られていますが」
「あの国でもそれは同じでな」
それでというのだ。
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