暗殺教室 in Hero
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緑谷出久の暗殺教室20 島の時間
南の島での暗殺旅行が1週間後に迫り、今日はE組はその訓練と計画の詰めに旧校舎の校庭に集まっていた...
生徒全員が特訓に勤しんでいる中、
イリーナ「まあまあガキども、ご苦労な事ね」
イリーナだけは1人で優雅に椅子に座ってドリンクを飲んでいた。
三村「ビッチ先生も訓練しろよ...射撃やナイフは俺らと大差ないだろーにさ」
イリーナ「大人はズルいのよ。あんた達の作戦に乗じて、オイシイとこだけ持ってくわ」
「ほほう、えらくなったもんだな...イリーナ?」
イリーナ「んげ!?ロ、ロヴロ師匠(先生)!?」
烏間「夏休みの特別講師で来てもらった。今回の作戦にプロの視点から助言をくれる」
ロヴロ「1日休めば指や腕は殺しを忘れる。落第が嫌ならさっさと着替えろ!」
イリーナ「ヘ、ヘイ!喜んで!!」
ロヴロに顔を青くして、全速力で旧校舎に着替えに行った。
三村「ビッチ先生、あの師匠には頭上がらねーなぁ...」
菅谷「あの人いかにも怖いもんな」
ロヴロ「それで、殺センセーは今絶対に見てないな?」
烏間「ああ。予告通りエベレストで避暑中だ。部下がずっと見張ってるから間違いない。それより来るのが遅かったな」
出久(エベレスト...流石殺せんせー...そういう所は超生物なんだなぁ......)
ロヴロ「困った事も重なってな...残りの手持ちで有望だった殺し屋数名が何故か連絡がつかなくなった」
烏間「怖気付いたのか...?」
ロヴロ「かもな...」
そしてロヴロに今回の暗殺の説明書を渡した。
ロヴロ「先に約束の10本もの触手を破壊し、すぐにクラス全員で攻撃して奴を仕留める...それはわかる...が、この最初の精神攻撃と言うのは何だ?」
渚「まず動揺させて動きを落とすんです」
前原「この前さ、殺せんせーエロ本拾い読みしてたんすよ、“クラスの皆さんには絶対に内緒ですよ!”ってアイス1本配られたけど...
今どきアイスで口止めできるわけねーだろ!!」
寺坂組「クラス全員で散々にいびってやるぜ!!」
渚「他にもゆするネタはいくつか確保してますので、まずはこれを使って追い込みたいです」
ロヴロ「...残酷な暗殺法だ」
ロヴロも流石に引くレベルだった。
ロヴロ「で、肝心なのはトドメを刺す最後の射撃......正確なタイミングと精密な狙いが不可欠だが」
烏間「不安か?このE組クラスの射撃能力は」
ロヴロ「いいや、逆だ。特にあの2人は素晴らしい」
ロヴロが指したのは千葉龍之介と速水凛香の2人だった。
千葉龍之介は空間計算に長けている。遠距離射撃で並ぶ者のない狙撃手スナイパー。
速水凛香は手先の正確さと動体視力のバランスが良く、動く標的を仕留める事に優れたソルジャー。
出久(...確かに...あの2人は凄い...学ぶべきところが多いな...後でコツでも聞いてみようかな...でも特訓の邪魔に...見るだけならいいかな)
出久はどちらかというと、速水のスタイルが合っているため、出久は速水の銃の扱い方などを確認し始めた。
出久(うーん...やっぱり速水さん自身の才能なのかな...見るだけじゃわからない...)ジーッ
すると速水がその視線に気づいてしまった。
速水(緑谷...!?どうしてこっちをずっと見てるの...!?)パシュ!
ロヴロ「...?珍しく大きく外したな...」
烏間「ああ...」
出久(あれ?どうしたんだろう?速水さんが失敗するのは珍しいなぁ)ジーッ
速水(しゅ、集中できない...)パシュ!
再び外す速水...
速水「み、緑谷...あんまり見ないでほしい」
出久「あっ!?じゃ、邪魔してた!?ご、ごめんね!!」
出久はそそくさと去っていった。
ロヴロ「見られると外すのか...?」
烏間「いや、俺も彼女の射撃を見ていた時があったが、全くそう言う様子はなかった」
千葉「......試すか...」ジッ...
速水「......なに?へんなところでもある?」パシュ!
今度は標的のど真ん中に命中させた。
千葉「いやなんでもない......ふっ、そういうことか」
その後もロヴロによる指導で個人のレベルが上がっている中、渚がロヴロに質問するために向かった。
渚「...ロヴロさん。ロヴロさんが知ってる中で、1番優れた殺し屋ってどんな人なんです?」
ロヴロ「...興味があるのか?殺し屋の世界に」
渚「あ、いえ、そういう訳じゃなく...」
ロヴロ「そう呼べるのはこの地球上にたった1人。この業界にはよくある事だが...彼の本名は誰も知らない。ただ一言の仇名で呼ばれている...
曰く、“死神”と...」
渚「!」
ロヴロ「神出鬼没、冷酷無比...夥しい数の屍を積み上げ、”死“そのものと呼ばれるに至った男。君たちがこのまま殺しあぐねているのなら...
いつかは奴が姿を現すだろうな..」
出久「...どんな相手も殺せる実力を持つ殺し屋...」
渚「あれ、聞いてたの?」
出久「盗み聞きしてごめん...すごく気になる話をしてたから...殺し屋って陰に潜んでいても、ヒーロー...もしくはヴィランよりも目立つ人がいるんだな...って」
ロヴロ「そうだな......そういえばお前はヒーローを目指していたな。ふむ...ヒーロー社会と殺し屋の世界での事を一つ教えてやろう。殺し屋をする上での暗黙の了解がある...それは
あるヴィランには決して手を出さないこと...」
出久「っ...!!」
渚「あるヴィラン...?」
ロヴロ「ああ...名前は知っているが、教えはしない。知らない方が安全だ...特にこの国ではな...」ボソッ
出久(もしかして...AFO!?奴はそこまで恐ろしい奴なのか!?)
出久と渚は死神という存在を知ったと同時に、出久は巨悪のヴィランの存在を改めて認識した...
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出久「よーし...聞くぞ...!...は、速水さん!」
速水「緑谷!?...ど、どうしたの」
出久「銃のうまい扱い方を教えて貰いたくて...作戦でも銃でせんせーの触手とか作戦とかで使うから...」
速水「別に...いいけど...」
出久「ありがとう!(良かった!もう起こってない感じだ!)」
出久は速水から銃のコツを教わり始めたのだが...
速水「も、もっと重心を...」
出久「う、うん。(女子から触られてる...!って、こんなことを考えるなんて...へ、変態か僕はぁぁ!?!?)」
速水(緑谷...意外と筋肉がある...プールの時はあんまり見れ...何言ってるの私......緑谷の事を考えると集中できない...暗殺に集中しないといけないのに...)
「ーみーん?」
速水(私は...…)
出久「速水さん!?」
速水「あっ、ごめん...」
出久「顔が熱っぽい感じだけど...熱中症...?」
速水「...大丈夫。少し休憩する......」
出久「肩貸そうか...?」
速水「...あの木の影で休みたいから運んで...」
出久「...わかった」
そう言って出久は速水の片腕を自身の肩に回させた。いくら女子への免疫が低い出久でも、人助けの時は例外だ......
しかし速水は両腕を出久の首に回した
速水「は、運んでって言ったの...///」
つまりお姫様抱っこである。
出久「.........ふぁ!?(いやいや!これは人助け!他意はない!!)う、うん」
出久はぎこちなくお姫様抱っこをして歩き始めた。顔は真っ赤でなるべく密着させないようにするが、速水は心地いいのか出久に身体を預けた。
烏間「!どうした、体調でも」
千葉「烏間先生。今は放っておいてあげてください」
烏間「...?」
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その頃渚の方では...
ロヴロ「君は必殺技を教えてやろう」
渚「...!」
渚も強くなろうとしていた...
そして遂に...
E組は船に乗って、目的の島に向かっていた...
殺せんせー「にゅやぁ……船はヤバい…マジで船はヤバい……先生、頭の中身が全部まとめて飛び出そうです...」
殺せんせーはぐったりして酔っていた...
出久「本当に乗り物に弱いんですね...東京から6時間だけど、最初の30分くらいでダウンしてましたし...」
菅谷「なあ緑谷...そのシャツ...」
出久「これ?いいでしょ〜!僕の好きなブランドのシャツだよ!」
杉野・前原「いや“Yシャツ”って書かれている服はダサいぞ!?!?しかもなんでTシャツなのにYシャツなんだよ!?」
出久「えええええ!?!?!?これでも渾身の勝負服みたいなものなんだよ!?」
岡島「それがかよ!?」
出久「まさかウケが悪いなんて...どうしてだ...!?」
中村「まさかいろんなことに真面目なのにセンスがおかしいとは......なんか思い出すわ、
雪村先生のこと」
その言葉にE組の殆どの生徒が納得したような顔をした。
出久「雪村先生?」
原「3月の時、2週間だけ先生をしてくれた人なんだ。私たちE組に対して真面目に教えてくれた良い先生だったよ。けど急に辞めちゃったけどね」
出久「良い先生だったんだね...それでなんでこれで思い出したの?」
三村「雪村先生、インナーダサかったもんな。平均とか腹八分目とか書いててさ」
出久「...良くない?」
三村「マジでセンス同じ感じか!」
出久「何でよ!!良いじゃん!」
E組の大半「ははははっ!!!」
渚「ふふっ...あれ、茅野どうしたの?」
茅野「...何でもないよ?少し疲れちゃっただけだから〜」
殺せんせー「......」
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出久「まだかなぁ...」
不破「ねえ緑谷...その...少年漫画とかに興味ない?」
出久「漫画はあまり見ないかな...」
不破「じゃあさ、今度私が色々教えてあげるよ!それからでもヒーローとしての振る舞いを学べるかもよ!」
出久「なるほど!じゃあ、お願いしようかな?ありがとう不破さん!」
不破「い、良いんだよ!この前のお礼もしたいしね!」
速水「...」チラッ...チラッ
千葉「...ふむ...」
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岡野「ねえ緑谷、班行動の休憩時間でさ、余裕があったら身体を動かす練習付き合ってよ。本番ミスらないためにも」
出久「僕でよければ構わないよ!」
岡野「ありがとう緑谷♪」
速水「...」ジッ...
千葉「...ふ、ふむ.....ん?」
神崎「...///」ジッ...
千葉「...おっと...」
そして遂に殺せんせーを殺すための目的地のリゾート地に着いた!
ウェイター「ようこそ。普久間島リゾートホテルへ。サービスのトロピカルジュースでございます」
三村「いやぁ最高だな!」
木村「景色全部が鮮やかで明るいなー!」
殺せんせー「ホテルから直行でビーチに行けるんですね。様々なレジャーも用意してあるようですねぇ」
村松「例の暗殺は夕飯の後にやるからさ。まずは遊ぼうぜ殺せんせー」
吉田「修学旅行ん時みたく、班別行動でさ」
殺「ヌルフフフ、賛成です。よく遊び、よく殺す。それでこそ暗殺教室の夏休みです!」
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そこからそれぞれの班が殺せんせーを引きつけている間に、空いている班が暗殺の準備に取り掛かる。
そしてメインとなる、千葉と速水は竹林と菅谷を連れて、射撃スポットを探していた。
千葉「殺せんせーは?」
速水「今は3班と海底洞窟巡りしてる。こっちの様子は絶対に見えないよ」
千葉「じゃあ、今なら射撃スポット選び放題だな」
速水「サクッと決めちゃいますか...」
菅谷「あの2人渋いな...」
竹林「もはや仕事人の風格だ。というか進むの早いな2人とも...」
千葉「さっさと決めて、俺らも遊ばないと場所がバレるからな」
速水「うん」
千葉「速水、緑谷は渚達の班にいたから海にいるはずだ」
速水「っ///!?な、なんで緑谷を!?」
千葉「いくら何でも見過ぎだ。特訓の時は見られると外していたから分かりやすかったな」
速水「そんなに...?」
千葉「ああ、船にいた時俺と狙撃の話をし終わった後、すぐに見ていただろ。まあその感情に気づいたのは、この前の学校での訓練の時だったがな。まさか緑谷の事を好きだとはな」
速水「別に好きだとは...」
千葉「違うのか?」
速水「まあ...2人で勉強している時は真剣な顔と優しい顔で教えてくれる時は本当に優しいと思ったし、修学旅行の話を聞いた時も他人のために怒れる奴なんだって思った。球技大会、鷹岡の時とかはカッコよくて...何事にも真剣で優しくて他人のために頑張る緑谷はカッコイイけど...別に好きってわけじゃ...」
千葉「...ベタ惚れなんだな」
速水「......…///」
千葉「なら今回の島にいる間に緑谷のハートを撃たないとな」
速水「えっ...?」
千葉「神崎がもしかすると仕掛けるかも...」
速水「あっ...」
竹林「ふ、2人とも早い...」
菅谷「こんな山道を良くそんなスルスルと...何話してたんだ?」
千葉「ああ、少し情報をな」
速水「......早く場所を決めよう」
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殺せんせーが神崎のいる班に参加した時...
殺せんせー「いやぁここは良い景色ですねぇ。夕日も綺麗でしょうし、夜も美しい海が見える...
こ!く!は!く!とかにはうってつけですねぇ〜」
神崎「そ、そうですね...///」
原「殺せんせーったら、分かりやすすぎでしょ。見守るのがちょうど良いのに。ねえ?」
不破「...ん...そうだね」
奥田「そうでした...神崎さん、緑谷君のことを.........(緑谷君と神崎さんはお似合いですよね。神崎さんは素敵で優しくて...緑谷君も優しくて、他の人のために真剣で考えて怒って...私が国語の大切さを知らない時、アドバイスをしてくれて...期末テストの時は2人で協力して100点取れました...私のおかげって言ってくれた時は嬉しかったな......神崎さんが羨ましいかも...)」
フラグ⑨ 奥田愛美
原「…ん?あれ?...あれぇ...?」
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