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八条学園騒動記

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第七百二十四話 ゴリラの素顔その十一

「同人誌まで描くな」
「二次創作ですね」
「漫画や小説でな」
「あれも連合固有の文化ですね」
「それを楽しむ者もな」
「連合にはいますね」
「流石にあれはな」 
 どうかどだ、大尉は述べた。
「私としてはな」
「受け入れられないですか」
「認めはするが」 
 それでもというのだ。
「そうした作品に目を通すことはな」
「ありませんか」
「同性愛の中でもかなり特殊だろう」
 腐女子と呼ばれる者達の趣味はというのだ。
「非常にな」
「それがどうもです」
 上等兵はここでこう言った。
「エウロパでもです」
「存在しているのか」
「実は高校時代のクラスメイトがです」
「腐女子だったのか」
「そのグループがありまして」
 そうしてというのだ。
「何かと盛り上がっていました」
「そうだったか」
「どうもそうした趣味はです」
「エウロパにもあるか」
「その様です」 
 まさにというのだ。
「今お話が出たので思い出しましたが」
「そうだったか」
「はい、女性化もありますね」
「あらゆるものをな」
「これもどうもです」
「連合だけではなくか」
「エウロパでもです」
 隠しているが自分達の国でもというのだ。
「ある様です」
「そうしたことは国境を越えるか」
「面白いそして熱中出来て」
 そうした趣味でというのだ。
「かつ法律で禁じられていないなら」
「国境を越えるか」
「その様です」
「そうしたものか」
「どうやら」
「いい勉強になった」
 確かな声でだ、大尉は述べた。
「私にとってもな」
「そうですか」
「エウロパにもあるとはな」
 そうしたものがとだ、前を見据えて話した。
「流石にな」
「思われませんでしたか」
「そうだった、だが」
 それでもというのだ。
「それでも認めはする」
「そうされますか」
「寛容さも必要だ」
 人間にはというのだ。
「それぞれの文化や嗜好がありな」
「その人それぞれの」
「国のな、そして偏見なくだ」
「認めることですね」
「それが真の文明人だ」
 こう言うのだった。
「ローマ人もだ」
「様々な文化や宗教を認めていましたね」
「彼等は強かっただけではない」
 歴史的にローマ帝国の代名詞となっている圧倒的な軍事力の話もした、その集団戦術と整った装備そして土木技術によりローマ軍は非常に強かったのだ。
「それに加えてだ」
「寛容さもありましたね」
「征服した国の文化もだ」
 それもというのだ。
「自分達に従うならにしてもだ」
「認めていましたね」
「信仰もな」
 こちらもというのだ。
「認めていた」
「そうでしたね」
「それこそがな」
「真の文明人ですね」
「そして我々もな」
「そうあるべきですね」
「同性愛が他の生きものにも見られてだ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「文化としてあるのなら」
「別にだ」
「否定すべきでないですね」
「そもそも古代ギリシアではな」
「確か同性愛は」
「至ってだ」
 それこそというのだ。
「普通のものだった」
「左様ですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「我々もだ」
「特にですね」
「否定せずにな」
「同性愛を認めることですね」
「自分達にその趣味がなくとも」
 それでもというのだ。
「そうすべきだ」
「それが真の文明人ですね」
「そうなのだ」
 こう言うのだった、そしてだった。
 大尉はここまで話すと今度はまた別の生きもの達のコーナーに行くことにした、そこに大尉を連れて行くのだった。


ゴリラの素顔   完


                   2023・7・16 
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