神々の塔
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第四十三話 新選組その七
「人を後ろから刺す様なことはせん人やったみたいやな」
「龍馬さんとは会ったことなかったしか」
トウェインはこのことを話した。
「それでか」
「そや」
まさにというのだ。
「岡田さんの話も適当に犯人聞き出して」
「終わりにする気やったか」
「最初取り調べの責任者やったけどな」
それがというのだ。
「それがな」
「更迭させられたか」
「あからさまにな」
それこそというのだ。
「処罰する気なかったからな」
「そやからか」
「殿様にそうされた」
正確に言うと土佐藩の実権を握っていた前藩主である山内容堂である、彼が強権を以てそうさせたのだ。
「それでや」
「板垣さんはか」
「外されてな」
取り調べの責任者からだ。
「岡田さんも上におった武市さんもな」
「処刑となったか」
「そや、ただ板垣さんも後藤さんもな」
二人共というのだ。
「首を切る様なや」
「役職にはなかったのね、何かね」
アレンカールはここまで聞いてこう言った。
「その辺りね」
「創作でもな」
「捏造になってるわね」
「幾ら龍馬さんをヒーローにしたくても」
主人公であるが故にというのだ。
「そやけどな」
「後藤さんや板垣さんを事実と違う様に描いて」
「とことん悪役にするのはな」
それも外道と言っていい様なだ。
「ちゃうからな」
「若しそんな人達やったら」
実際にとだ、アレンカールはここで考えた。
「どうなってたか」
「もう西郷さん辺りにか」
「同志の志士の人達を殺した敵として」
「刺客送られてな」
そうしてというのだ。
「始末されてたか冤罪かけられて」
「処刑ね」
「そうなってな」
それでというのだ。
「終わりやったかもな」
「明らかに志士やないし」
「佐幕派でだ」
幕府の側の人間でというのだ。
「かなり傲慢で卑怯な」
「切って捨ててもええ奴やな」
シェリルは実際に言い捨てた。
「もう」
「そや、それでや」
「ほんまに板垣さん後藤さんが身分を傘に着て嬉々として弱い者いじめして」
「志士を何人もその手で処刑してるならな」
そうした連中ならというのだ。
「一体誰がや」
「志士と認めるか」
「僕でも即座にな」
芥川は自分が幕末の志士であった場合のことを話した。
「もうな」
「処刑するな」
「罪状は明らかやし立証出来んでも」
それでもというのだ。
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